小説

033 バトルロイヤル

 日付が変わる頃、俺たちは動き出す。 事前に仮眠を交代で行ったものの、長時間は同じ場所にはいられなかったので、やはり少々眠い。『来たぞ』『うん』 司令官の鏡を通して、念話を行う。 ここからは、少しの油断もできない。 そして日付が変わると同時…

045 ノブモ村での大会予選 ③

 棍棒を持ったホブンが駆ける。 それに対して、ジャイアントボアも突っ込んで来た。「ゴブッ!」 だが素早い身のこなしで、ホブンがすれ違うように回避をする。 そして、その背後に棍棒を叩きこんだ。「ブヒィツ!?」「なっ!?」 よし、攻撃が通った。…

044 ノブモ村での大会予選 ②

「ここに各ブロックを勝ち上がった者がそろった。これより選手の紹介を行う!」 決勝トーナメントが始まり、俺は会場となる場所にやって来た。 周囲には多くの人々がおり、視線が次々に向けられる。 現在俺は、試合会場の中央にいた。 職員の男が高らかに…

032 イベント三日目

 気が付けば、イベントは三日目を迎えていた。 二日目はオタオークの上位種よりも、ペロロさんの方が強敵だったと言っておこう。  外に出れば、やはり山が近づいてきている。 明日になれば、おそらく塔の周辺しか残らないだろう。 塔にはあまり近付きた…

043 ノブモ村での大会予選 ①

 朝日が昇り、とうとう大会の予選日がやってきた。 会場は村の外に用意されており、参加申請をしている俺は当然向かう。 どうやら観戦客も多いようで、臨時の屋台なども多い。 そして参加者用の受付が用意されていたので、俺はそこに並んだ。 意外と参加…

042 ギルドマスターからの呼び出し

「ジョン!!」 俺が森から出ると、少年がそう言って駆け寄ってきた。 なので俺は、グリーンキャタピラーをその場に降ろす。「キシャ……」「ジョン!!」 ん? 何となく、グリーンキャタピラーが嬉しそうじゃない気がするな。 なぜだ? そんなことを思…

031 作戦の後

 上位種のオタオークが出てくるのを警戒しているが、一向に現れない。 むしろ爆破音を聞いて、先ほどボロ小屋に入っていった二匹のオタオークが戻ってきたほどである。 そちらはもちろん、速攻で始末した。 するとその時、小屋からガタリと音が鳴る。 俺…

041 少年からの救助要請

 翌日目覚めると、俺は村の外に出る。 未だホワイトキングダイルは復活しないが、他に試したいことがあった。 周囲に誰もいないところまで来ると、いくつかのカードを取り出す。 タヌゥカとの戦いのとき、俺はホワイトキングダイルの幻影を纏った。 あれ…

040 モンスターバトル

 まずビッグフロッグのできることは、長い舌による攻撃と高いジャンプ力だ。 対してグリーンキャタピラーは、先ほどの戦いを見るに糸を飛ばしてくる。 糸に捕らわれれば、ビッグフロッグは負けてしまうかもしれない。「ジョン! 糸で相手を捕まえろ!」「…

030 上位種に勝つための賭け

 一度仮拠点に戻って来た俺たちは、軽食を取りつつ作戦の打ち合わせをする。 といってもできることは限られているし、当然危険が伴う。 失敗すれば終わってしまうような、そんな賭けに出るしかない。 仙人河童の時も、賭けに打ち勝って今がある。 だが、…

039 実験の続き

「ご、ごぶ!?」 俺は引き続き、ゴブリンを無力化する。 ジャイアントリーチの麻痺攻撃は、こういう時に役に立つ。 |痙攣《けいれん》と僅かなうめき声は出せるが、動くことはできないようだ。 そして俺は、ゴブリンの魔石がある辺りに手のひらを向ける…

038 大会への参加申請

 翌朝目が覚めると、俺は宿屋の店主に大会の事を訊いてみた。 するとどうやら大会は王都で行われるようであり、本戦は二カ月後らしい。 現在は予選が行われているようで、ちょうどこの村でも二日後にあるようだ。 またこの宿屋はテイマーとサモナー専用と…