小説

062 巣穴についての依頼報告

 ハパンナの街に戻ってきた俺は、さっそくギルドで報告を行う。 すると専用の部屋で聞き取りをするという事なので、移動した。 そこで女性の職員に、ソイルワームの巣穴について話す。「えっと、もう一度言っていただけますか?」「ああ、ソイルワームの巣…

061 ソイルワームの巣穴

 あれから再び屋敷を出た俺は、街を出て現在森の中にいた。 この森のとある場所に、ソイルワームの巣穴があるらしい。 地図を見ながら、俺は先へと進む。「にゃーん!」 それと俺の側には、大型犬サイズに縮小したレフがいる。 どうやら縮小のスキルは、…

060 面倒な奴らの対処方法

「分かった、試合を受けよう。ただし、場所は俺が決めさせてもらう」「ああ、構わないぜ!」「よし! 早く案内しろ!」「ひゃひゃっ! とうとう観念したか!」「もうあのホブゴブリンは俺の物だ」 騒がしい男たちが承諾したので、俺はとある場所へと向かう…

059 二次予選までの活動方針を決める。

 まず部屋に戻った俺は、自然種のカードを一枚一枚鑑定していく。 ちなみにカードから鑑定しても、その個体の能力を確かめることができた。  だがユニーク個体というのはやはり珍しいのか、全くいない。 しかし一枚だけ、他とは違う個体がいた。 種族:…

058 領主邸での模擬戦 ②

 レフが駆ける。 同時に周囲には闇の鎖が現れ、ロックゴーレムへと向っていく。 あれはおそらく、ダークネスチェインという種族特性のスキルか。「ロック九番だ!」「グゴゴ」 すると相手も石の弾丸を無数に作り出し、放ってきた。 狙いはレフの生み出し…

057 領主邸での模擬戦 ①

 客室の一つを与えられた俺は、そこでさっそくレフに縮小のスキルオーブを使用する。 するとレフは縮小により、まるで毛長黒猫のように小さくなった。「にゃん!」 そしてレフはそんな鳴き声を上げながら、俺の足に体を擦りつける。 加えてレフから抱き上…

056 ハパンナ子爵

 翌日俺は、馬車の中にいた。 揺れも少なく、当然臭くもない。 以前乗った乗合馬車が、嘘のようである。 現在向かっている先は、ハパンナ子爵の領主邸だ。 御者は執事のセヴァンがしており、馬車の中は俺一人となっている。 それにしても、貴族との面会…

055 フュージョン

 フュージョンの仕方は簡単だ。 光っているレフのカードに、ブラックレオパルドのカードを乗せて念じればいい。 だが実行するのは、とても緊張する。 どのような結果になるのかは、未知数だ。 同じ獣系の四足獣なので、相性は悪くないはずである。 なの…

054 転移帰還場所で待ち受けていたもの

 この部屋に俺しかいないことに驚いたようだったが、初老の男性はすぐに|佇《たたず》まいを直す。「こほんっ。私は怪しい者ではございません。ハパンナ子爵に仕える執事のセヴァンと申します」「そうか」 やはりというべきか、ダンジョンの転移帰還場所を…

053 ハパンナダンジョン ⑥

 扉の先は、しばらく直進の道が続く。 そして以前と同様に、中央には豪華な宝箱がある部屋が現れた。 近くには脱出用の魔法陣もあり、この部分はダンジョン共通のようである。 流石にここまで来て罠は無いと思われるが、一応ゴブリンを召喚して開けさせた…

052 ハパンナダンジョン ⑤

 宝箱を取りつくした後も|捜索《そうさく》を続けたが、結局他のブラックレオパルドは見つからなかった。 どうやら、本当にあの一匹だけだったようである。 だが仮にブラックレオパルドが複数いた場合、明らかに難易度が高すぎるだろう。 直接戦闘になる…

051 ハパンナダンジョン ④

 種族:ブラックレオパルド 種族特性【闇属性適性】【闇属性耐性(小)】【シャドーステップ】【隠密】【暗殺】【気配感知】【顎強化(小)】 黒豹、ブラックレオパルドは、正に暗殺者というべき種族特性をそろえている。 俺は剣を抜いて、意識を集中した…