dungacha

034 イベントの終わりと優勝者(完)

「なんだてめぇ! ぐげらっ!?」「ろ、ロリだとっ! うべげぇっ!?」 俺が動く前に、ペロロさんがあっという間に倒してしまった。 うん、まあ……ペロロさん、強いからね。 あ、しっかり止めを刺している。 よかった。そこは甘くないらしい。 これで…

033 バトルロイヤル

 日付が変わる頃、俺たちは動き出す。 事前に仮眠を交代で行ったものの、長時間は同じ場所にはいられなかったので、やはり少々眠い。『来たぞ』『うん』 司令官の鏡を通して、念話を行う。 ここからは、少しの油断もできない。 そして日付が変わると同時…

032 イベント三日目

 気が付けば、イベントは三日目を迎えていた。 二日目はオタオークの上位種よりも、ペロロさんの方が強敵だったと言っておこう。  外に出れば、やはり山が近づいてきている。 明日になれば、おそらく塔の周辺しか残らないだろう。 塔にはあまり近付きた…

031 作戦の後

 上位種のオタオークが出てくるのを警戒しているが、一向に現れない。 むしろ爆破音を聞いて、先ほどボロ小屋に入っていった二匹のオタオークが戻ってきたほどである。 そちらはもちろん、速攻で始末した。 するとその時、小屋からガタリと音が鳴る。 俺…

030 上位種に勝つための賭け

 一度仮拠点に戻って来た俺たちは、軽食を取りつつ作戦の打ち合わせをする。 といってもできることは限られているし、当然危険が伴う。 失敗すれば終わってしまうような、そんな賭けに出るしかない。 仙人河童の時も、賭けに打ち勝って今がある。 だが、…

029 最悪を避けるために

 それから落ち着いた俺は、考えていたことを全てペロロさんに話す。 するとそれを聞いたペロロさんは、慌てることなく落ち着いている。 そして、俺の悩みを吹き飛ばすように、こう口にした。「なら答えは一つだね。先にオタオークの上位種を、僕らが倒せば…

028 最悪の予想

 イベントの二日目を迎えた早朝、俺と後から目覚めたペロロさんは朝の支度を終えた。 やはり水を自由に使えるというのは、サバイバルではかなりの利点だろう。 まだ戦闘ではあまり使えないが、こうした場面では役に立つ。 そして身支度を整えて、俺とペロ…

027『ロリコンと鏡の森ダンジョン』専用スレ1

 イベントが進み始めると、プレイヤーたちの中から脱落者が生まれる。 脱落者となったプレイヤーは、自室で推しのプレイヤーの放送を見たり、イベント専用の放送を覗いている。 イベント専用の放送は、ダンジョンごとで特に活躍した集団をピックアップして…

026 ペロロは夢の中

 僕の名前は、|小山内《おさない》ペロ。 現在では、幼精紳士ペロロと名乗っている。 名称からも分かる通り、僕はロリコンだ。 加えて、ナルシストでもある。 鏡に映る自分の姿は、この世で一番可愛らしい。 だから元々男には興味は無いし、間違っても…

025 帰還

 湖から離れた俺とペロロさんは、現在仮拠点に向かっていた。 なお衣服は既に着ており、力を使い果たしたペロロさんは俺の背中でぐったりしている。 やはりあの力は、使用後に反動があるみたいだった。「すまないクルコン君、そのまま真っすぐ頼むよ」「気…

024 脱出に向けて

 まず最初に行うのは、衣服などを頬に収納すること。 おそらくこの鏡の先は、あのオタガッパがいた湖だと思われる。 なので地底湖の時と同様、身軽な状態になった。 ただ問題なのは、もしオタガッパ達に襲われて負けてしまった場合だろう。 地底湖の時は…

023 新たな脱出への道

 まず仙人河童のいたこの場所だが、滝に戻るための出入口しかない。 周囲の壁をくまなく調べたが、仕掛けのようなものは無かった。 なのでここから脱出できる方法は、別のところにあるはずだ。 今思いつく限りだと、三つの可能性を考えている。 1.最初…