小説

028 配下との再戦

 あれからダンジョンの二階層目に来た俺は、誰もいないような奥地へと足を踏み入れている。 余程のことがなければ、他の冒険者がやって来ることはないだろう。 そしてある程度開けた場所に出ると、俺は目的を実行に移す。「いでよ、ホワイトキングダイル」…

025 帰還

 湖から離れた俺とペロロさんは、現在仮拠点に向かっていた。 なお衣服は既に着ており、力を使い果たしたペロロさんは俺の背中でぐったりしている。 やはりあの力は、使用後に反動があるみたいだった。「すまないクルコン君、そのまま真っすぐ頼むよ」「気…

027 シルダートの街で買い物

 俺がまずやって来たのは、やはり防具屋である。 品ぞろえが豊富で、安い物から高いものまで揃っていた。 その中で気になったのは、昨日見に来て諦めた装備。「そちらは六階層にいるブラックヴァイパーの革と鱗を、ふんだんに使用した一品物になっておりま…

026 冒険者ギルドで依頼達成

 翌日俺は、冒険者ギルドに来ていた。 掲示板を見て、提出できそうなものを|吟味《ぎんみ》する。 うーん。オークの納品はDランクか……。 現在俺はFランクなので、二つ上のDランクの依頼は受けられない。 例えそれが、納品できるとしてもだ。 しか…

025 帰るまでがダンジョン探索

 かなりの疲労感があったが、帰りの道中でもモンスターを狩っていく。 ちなみに、シャドーアーマーはなぜかしばらく使えないようだった。 泥の不快感に眉をひそめながらも、二層目を目指した。 その道中では、巨大なカエルやヒルを倒してカード化する。 …

024 脱出に向けて

 まず最初に行うのは、衣服などを頬に収納すること。 おそらくこの鏡の先は、あのオタガッパがいた湖だと思われる。 なので地底湖の時と同様、身軽な状態になった。 ただ問題なのは、もしオタガッパ達に襲われて負けてしまった場合だろう。 地底湖の時は…

024 イレギュラーモンスター

 ダンジョンの三層目に広がっているのは、どこまでも続く沼地だった。 一層目の泥沼に近いかもしれない。 所々に陸地や木が生えており、何となくだが薄暗く感じた。 この沼地のどこかに、イレギュラーモンスターがいるらしい。 タヌゥカの他にも、何チー…

023 シルダートダンジョン二層目で宝さがし

 二階層目もやはり、難易度の低い宝箱はほとんど取られているようだ。 いくつか見つかっていない物も発見したが、中身はショボい。 最下級ポーションや、小銀貨が数枚などだった。 どうやら難易度によって、手に入る内容も変わるらしい。 まあオークの住…

022 オークの住処

 「ぶひいぃ!?」 基本、この付近でオークは単独行動をしている。 動作は遅く、代わりに力が強い。耐久性も高そうだ。 しかしデミゴッドの俺には関係なく、一撃で倒せる程度である。 ちなみに周囲は、二匹のグレイウルフに警戒をさせている感じだ。 そ…

023 新たな脱出への道

 まず仙人河童のいたこの場所だが、滝に戻るための出入口しかない。 周囲の壁をくまなく調べたが、仕掛けのようなものは無かった。 なのでここから脱出できる方法は、別のところにあるはずだ。 今思いつく限りだと、三つの可能性を考えている。 1.最初…

021 転移者との遭遇

「ぐぇ」「グゥッ」 結果から言うと、返り討ちにした。 こいつらの言い分は金をよこせ装備をよこせという、ありきたりなもの。 自分らでまともに稼げないやつらに、万が一にも負けるはずがない。 こうした奴らは始末したいところだが、街中なので気絶で済…

020 シルダートのダンジョンで宝さがし

 ダンジョン内は相変わらず人が多いが、人気の場所は決まっているらしい。 少し気になるので、俺も行ってみることにする。 ちなみにグレイウルフは注目が集まるので、今回は召喚していない。 幾人かの冒険者たちが同じ方向へと進んでいるので、俺もついて…