小説

049 ハパンナダンジョン ②

 昨夜のマッドクラブは、大変旨かった。 塩が変わるだけで、あそこまで違うとは。 そういえば、ジョリッツの店で岩塩を削る道具が売っていたな。 普通の塩があるからいらないと考えて、岩塩も含めて買わなかった。 まあ、岩塩は簡単に手に入るようになっ…

048 ハパンナダンジョン ①

 それから召喚したスモールマウスに道案内してもらい、俺は二階層目に辿り着く。 ちなみに、宝箱は探してはいない。 人が多いし、何より一階層目ではたかが知れているだろう。 探すとしても、三階層目以降になる。 そして二層目になってお役御免になった…

047 ハパンナの街に到着

 ハパンナの街に入った後は、早々にジョリッツからの護衛依頼をギルドで完了して、二次予選の出場を申請する。 申請場所は街の闘技場であり、かなり立派だった。 訊けば、各街には闘技場が必ずあるらしい。  今回のような大会はもちろんのこと、普段でも…

046 二次予選の街に向かう

 予選は思わぬ形で終了したが、その後村長兼ギルドマスターのザッパルトより言葉をもらい、予選通過者の証である書状を渡される。 なお書状に関しては、二重取りが発動しなかった。 書状が二枚に増えても扱いに困るので、それがマイナス要素として判断され…

034 イベントの終わりと優勝者(完)

「なんだてめぇ! ぐげらっ!?」「ろ、ロリだとっ! うべげぇっ!?」 俺が動く前に、ペロロさんがあっという間に倒してしまった。 うん、まあ……ペロロさん、強いからね。 あ、しっかり止めを刺している。 よかった。そこは甘くないらしい。 これで…

033 バトルロイヤル

 日付が変わる頃、俺たちは動き出す。 事前に仮眠を交代で行ったものの、長時間は同じ場所にはいられなかったので、やはり少々眠い。『来たぞ』『うん』 司令官の鏡を通して、念話を行う。 ここからは、少しの油断もできない。 そして日付が変わると同時…

045 ノブモ村での大会予選 ③

 棍棒を持ったホブンが駆ける。 それに対して、ジャイアントボアも突っ込んで来た。「ゴブッ!」 だが素早い身のこなしで、ホブンがすれ違うように回避をする。 そして、その背後に棍棒を叩きこんだ。「ブヒィツ!?」「なっ!?」 よし、攻撃が通った。…

044 ノブモ村での大会予選 ②

「ここに各ブロックを勝ち上がった者がそろった。これより選手の紹介を行う!」 決勝トーナメントが始まり、俺は会場となる場所にやって来た。 周囲には多くの人々がおり、視線が次々に向けられる。 現在俺は、試合会場の中央にいた。 職員の男が高らかに…

032 イベント三日目

 気が付けば、イベントは三日目を迎えていた。 二日目はオタオークの上位種よりも、ペロロさんの方が強敵だったと言っておこう。  外に出れば、やはり山が近づいてきている。 明日になれば、おそらく塔の周辺しか残らないだろう。 塔にはあまり近付きた…

043 ノブモ村での大会予選 ①

 朝日が昇り、とうとう大会の予選日がやってきた。 会場は村の外に用意されており、参加申請をしている俺は当然向かう。 どうやら観戦客も多いようで、臨時の屋台なども多い。 そして参加者用の受付が用意されていたので、俺はそこに並んだ。 意外と参加…

042 ギルドマスターからの呼び出し

「ジョン!!」 俺が森から出ると、少年がそう言って駆け寄ってきた。 なので俺は、グリーンキャタピラーをその場に降ろす。「キシャ……」「ジョン!!」 ん? 何となく、グリーンキャタピラーが嬉しそうじゃない気がするな。 なぜだ? そんなことを思…

031 作戦の後

 上位種のオタオークが出てくるのを警戒しているが、一向に現れない。 むしろ爆破音を聞いて、先ほどボロ小屋に入っていった二匹のオタオークが戻ってきたほどである。 そちらはもちろん、速攻で始末した。 するとその時、小屋からガタリと音が鳴る。 俺…