小説

096 ツクロダとの決戦 ⑤

 「クソが! それで勝った気でいるんじゃねえぞ! この程度じゃ、ツクロダロボの魔力は尽きないからな! それに犬畜生を先に殺せば、僕ちゃんの勝ちだ!」 そう言ってツクロダは、リビングアーマーを追加で何体も召喚する。 当然狙いは、ブラッドだ。 …

095 ツクロダとの決戦 ④

 まずはいつも通り鑑定を飛ばすが、当然通らない。 それは何となく分かっていたので、|焦《あせ》る必要はなかった。 続いて獣の腕を人型に戻し、取り出した|緑斬《リョクザン》のウィンドソードからウィンドカッターを放つ。 だが、それも効いた様子が…

094 ツクロダとの決戦 ③

  ダークネスチェインを駆使して、リビングアーマーを倒す。 またモンスターたちに指示を出して、なるべく消耗を抑えるように戦わせる。「ぐあぁ!?」 すると、ブラッドのそんな悲鳴が聞こえてきた。 集中して狙われているからか、避け切れないみたいで…

093 ツクロダとの決戦 ②

「こいつはダンジョンにいたイレギュラーモンスターとかいう、Aランク超えだったやつだ。 改造に失敗して自壊し始めたが、僕ちゃんの天才的な頭脳でそれも克服した! 強さだけならたぶん、Sランクはあるんじゃないかな?」 ツクロダは自慢するかのように…

092 ツクロダとの決戦 ①

「ははは! よくぞここまで来たな! ぼくちゃん感動したよ!」 ボスエリアに入って早々、そんな笑い声が聞こえてくる。 当然その人物は、ツクロダだ。 ボスエリアは広く、奥には階段がある。 そして階段の上で、ツクロダが玉座に座り見下ろしていた。 …

091 ツクロダダンジョン ⑤

 そうして無事に壁尻とか呼ばれる最悪な罠から、俺は抜け出した。 ブラッドに思うところはあるが、今は我慢する。 それよりも、なぜこの罠が発動したかだ。 まずブラッドは罠感知のスキルを持っていたはずだが、それをすり抜けるほどに|隠蔽《いんぺい》…

090 ツクロダダンジョン ④

 よし、この作戦で行こう。 俺は少しの間考えを巡らせ、一つの作戦を思いつく。 かなりごり押しになるが、モンスターを突撃させるより効率がいい。 まず初めに、ブラッドをダークネスチェインで|簀巻《すま》き状態のようにする。「う”ぅ”がぁ”あ”!…

089 ツクロダダンジョン ③

 罠に注目してみると、何やらワイヤーのような物が足元に張られている。 明らかに分かりやすい罠だが、油断はできない。 それ自体がブラフであり、その近くに違う罠がある可能性もあった。 他にも奥を見れば、壁から一定の時間経過で槍が飛び出す罠が見え…

088 ツクロダダンジョン ②

 ダンジョンを進みながら、俺は地図を描いている。 これまでのダンジョンでは、モンスターに道案内をさせていた。 なので地図を描くという事が頭になく、同じ場所まで来るのに時間がかかってしまう。 ちなみに紙とペンは、ストレージから出していた。 ま…

087 ツクロダダンジョン ①

 このダンジョンの造りは、コンクリートのような灰色の壁をしている。 天井には光る石が埋め込まれており、意外と明るかった。 最初にいた場所は小部屋になっており、出ると迷路のように入り組んだ通路が続いている。 俺とブラッドは、その通路を進んでい…

086 ツクロダの登場

 ツクロダは来ると言っていたが、中々来ない。 てっきり突然転移してきてもおかしくないと思っていたのだが、違ったのだろうか? それとも、他の仲間を集めている可能性もある。 加えてあれから、目の前の少女とツクロダは連絡を取っていない。 また少女…

085 王城侵入

 王城に近づけたまでは良かったが、ここからが問題だ。 まず王城は周囲を堀で囲まれており、その奥には城壁がある。 出入口は正面の一つであり、そこは当然守りを固められているだろう。 正面突破は、消耗が激しくなる。 であれば他の隠し通路から侵入で…