巨大なガチャガチャの排出する鍵によって、挑めるダンジョンが決まる世界で生きることになった主人公、狂咲混。通称クルコン。
しかし彼が引くダンジョンはどれも特殊なものばかりであり、精神を摩耗させる。
加えて生放送で配信される状況からコアなファンが生まれつつも、同時にアンチにも悩まされていた。
けれどもこの世界で生き抜くため、クルコンは今日もダンジョンに挑んでいく。
そんなクルコンの異常さに周囲は次第に気が付き始め、クルコンは色んな意味で有名プレイヤーになっていくのであった。
果たしてクルコンは、普通のダンジョンを引き当てる日が来るのであろうか。
※この作品はカクヨム様とアルファポリス様でも投稿されています。
001 男色ゴブリンのぬるぬるダンジョン
ダンジョン。それは未知なる世界。 どのような地形か、何が出てくるのか、手に入る物もほぼ全てがランダム。 運が良ければ難易度が低く、お宝が豪華なる。 だが逆に運が悪ければ、難易度が高く、お宝が貧相になってしまう。 では運が狂っていれば、いっ…
002 男色ゴブリンとの遭遇
扉を潜ると、そこはぱっと見た感じ洞窟型のダンジョンだった。 しかしだからといって、安心はできない。 ダンジョンの名称通り、男色ゴブリンと何かしらのぬるぬるが待ち受けているからだ。 俺は改めて、自分の装備を確認する。 といっても長袖のワイシ…
003 ドアの先の地獄と強敵?
こうしてダンジョン攻略を進める俺だが、当然この光景は生放送されている。 今も俺を見ているプレイヤーたちが、何人もいることだろう。 しかしだとしても、俺が何かパフォーマンスをすることは無い。 何故なら俺は、自分の生放送を無いものと思って活動…
004 男殺しのピンクパルチザン(携帯用)
これは……。 鑑定虫メガネを通して性能を確認すると、このように表示された。 名称:男殺しのピンクパルチザン(携帯用) レア度:R【効果】 起動することで本来の姿を現し、以下の効果を発揮する。 肉体的男性に対して特攻効果。 肉体的男性の尻に…
005 ボス戦
今俺の目の前には巨大な扉があり、開かれている。 またダンジョンに入る際と同様に、虹色に光る膜があった。 これを突き抜けることで、ボスエリアに行くことができる。 ボスはダンジョンに出現するモンスターの強化版が多く、単独と群れを成している場合…
006 ボス戦後
ボスを倒しただけでは、クリアではない。 ここで死亡すれば、全てが水の泡だ。 俺は傷口を手で押さえながら、何かないかと必死に頭を働かせる。 すると、近くに先ほど投げ捨てたぬるぬるすっきりポーションがあった。 これだ! 俺は最後の力でそれを拾…
007 一時の休息
ダンジョン探索を終えた俺は、無事に部屋へと戻ってきた。 相変わらず二畳という、狭い部屋である。 段ボールをマット代わりにしており、薄いタオルケットと枕が大部分を占めている状態だ。 他には壁にハンガーフックが取り付けられており、そこに直接ブ…
008 第一回イベント
あれから買い物を済ませて自室へと戻ってくると、俺はさっそくモニター画面からイベントに参加する。 登録自体は一分もかからなかった。 そうして俺は一先ず靴を脱ぐと、買ってきた物を広げる。 まずは大きなリュックサック。 イベントがどれだけ長期間…
009 ロリコンと鏡の森ダンジョン
視界が切り替わるように転移すると、目の前には森が広がっていた。 しかし、ただの森ではない。 いたるところに、大小さまざまな鏡の破片が地面に突き刺さっている。 おそらくこれが、鏡の森ということだろう。 ダンジョン名の通り、後はロリコンに関す…
010 オタオーク
森の中を進みながら、俺はとある人物について考える。 ペロロさん、大丈夫だろうか。 ロリに対して中々の執着を持っているペロロさんは、ここにきている可能性が高い。 しかし出てくるのはロリモンスターではなく、ロリコンのオタオークである。 加えて…
011 友人との再会
俺をオタオークの群れから救ってくれたのは、ペロロさんだった。 相変わらず、黒を基調としたゴスロリファッションをしている。 森の中でそのブーツは、とても歩き辛そうだった。 そして短いスカートと、ニーハイの隙間にある絶対領域がチラつく。 とて…
012 臨時パーティ結成
ペロロさんと組んだ俺は、さっそく今後の方針を話し合う。 結果として決まったのは、安全第一でなるべく多くのモンスターを倒すこと。 次に機会があれば、お宝部屋の攻略。 そして塔にはプレイヤーが多そうだと判断して、なるべく近付かないことにした。…
013 新たなモンスター
俺とペロロさんは、オタオークを倒しながら南へと向かっている。 理由としては、ダンジョンの端がどうなっているのか確かめるためだ。 それ以外に、深い意味はない。「あ~、やっぱり、これ以上行けそうにないね」 そしてダンジョンを囲む山の一部に近付…
014 オタガッパの穴
仮拠点である木のうろの中で休憩を終えると、俺とペロロさんは探索を再開し始める。 方針としては、まだいっていない場所を埋めていく事にした。 現在のダンジョン探索度は、こんな感じである。 山山山山山山山山山 山ロロロロロロロ山 山ロロロロロロ…
015 遭遇戦
おかしい。 先ほどから洞窟内を進んでいるのだが、オタガッパの数が少ない気がする。 あれ以降出会ったオタガッパの数は、七匹。 洞窟は、アリの巣を横向きにしたような形状である。 何度か行き止まりに辿り着くが、そこには何もいないことが多い。「こ…
016 ボスエリア
ボスエリア内は道中と違い、何故か明るかった。 天井が高く、光る石がところどころに埋め込まれている。 そして目の前には細い道があり、奥は広い円状だった。 加えて一番奥には滝があり、円状の周囲は地底湖になっている。 あの水は、オタガッパがいた…
017 作戦を練る
あの怪魚に大ダメージを与えられるとすれば、尻穴爆竹の串しかない。 どうにかオタガッパに突き刺して、それを怪魚に喰わせれば倒せる可能性はある。 だが、これは理想論に過ぎない。 仮にオタガッパに突き刺したとしても、怪魚に喰わせる前に爆発する。…
018 作戦実行
「行くぞ!」「うん!」 怪魚は今、滝の近くにいる。 その隙に、俺とペロロさんが動き出す。 まずは細い道を俺が走り、途中怪魚によって破壊された部分を飛び越える。「おっと。よし、ペロロさん、いいぞ!」「わかった。行くよ!」 何とか無事に飛び越え…
019 真のエリアボス
「ここは……はっ!? クルコン君!」 しばらくして、ペロロさんが目を覚ました。 そして俺を見つけると、嬉しそうに近寄ってくる。「目が覚めたようで良かった。体に異常はないか?」「僕は大丈夫だよ! それよりもクルコン君こそ大丈夫なのかい?」 …
020 仙人ガッパ
「ぎゃぱぱ!」 仙人ガッパは、ペロロさんが疲れるまで攻撃を続けるつもりのようだった。 水の塊は慣れれば回避はたやすいとはいえ、当たればかなりの痛手を伴う。 その緊張や現状の焦りもあり、ペロロさんもずっと避け続けることは難しい。 くそっ、まじ…
021 苦難の成果
俺は今、滝の裏にある洞窟内で正座をしていた。「クルコン君、僕は悲しいよ。いくら勝つためとはいえ、僕のお尻の処女を奪うなんて」「……申し訳ない」 あの時は仕方がなかったとはいえ、ペロロさんのお尻に尻穴爆竹の串を刺したのは事実だ。 最初は自分…
022 尻の処女を失って得た力
よく考えなくても、これは狂っていると思う。 友人とはいえ、異性に自分の尻を|曝《さら》け出すのはおかしい。 だがそう思っていたとしても、ペロロさんは止まる様子はなかった。 今俺は上半身を地面に伏せて、ひざを折り尻だけ突き出したポーズをして…
023 新たな脱出への道
まず仙人河童のいたこの場所だが、滝に戻るための出入口しかない。 周囲の壁をくまなく調べたが、仕掛けのようなものは無かった。 なのでここから脱出できる方法は、別のところにあるはずだ。 今思いつく限りだと、三つの可能性を考えている。 1.最初…
024 脱出に向けて
まず最初に行うのは、衣服などを頬に収納すること。 おそらくこの鏡の先は、あのオタガッパがいた湖だと思われる。 なので地底湖の時と同様、身軽な状態になった。 ただ問題なのは、もしオタガッパ達に襲われて負けてしまった場合だろう。 地底湖の時は…
025 帰還
湖から離れた俺とペロロさんは、現在仮拠点に向かっていた。 なお衣服は既に着ており、力を使い果たしたペロロさんは俺の背中でぐったりしている。 やはりあの力は、使用後に反動があるみたいだった。「すまないクルコン君、そのまま真っすぐ頼むよ」「気…
026 ペロロは夢の中
僕の名前は、|小山内《おさない》ペロ。 現在では、幼精紳士ペロロと名乗っている。 名称からも分かる通り、僕はロリコンだ。 加えて、ナルシストでもある。 鏡に映る自分の姿は、この世で一番可愛らしい。 だから元々男には興味は無いし、間違っても…
027『ロリコンと鏡の森ダンジョン』専用スレ1
イベントが進み始めると、プレイヤーたちの中から脱落者が生まれる。 脱落者となったプレイヤーは、自室で推しのプレイヤーの放送を見たり、イベント専用の放送を覗いている。 イベント専用の放送は、ダンジョンごとで特に活躍した集団をピックアップして…
028 最悪の予想
イベントの二日目を迎えた早朝、俺と後から目覚めたペロロさんは朝の支度を終えた。 やはり水を自由に使えるというのは、サバイバルではかなりの利点だろう。 まだ戦闘ではあまり使えないが、こうした場面では役に立つ。 そして身支度を整えて、俺とペロ…
029 最悪を避けるために
それから落ち着いた俺は、考えていたことを全てペロロさんに話す。 するとそれを聞いたペロロさんは、慌てることなく落ち着いている。 そして、俺の悩みを吹き飛ばすように、こう口にした。「なら答えは一つだね。先にオタオークの上位種を、僕らが倒せば…
030 上位種に勝つための賭け
一度仮拠点に戻って来た俺たちは、軽食を取りつつ作戦の打ち合わせをする。 といってもできることは限られているし、当然危険が伴う。 失敗すれば終わってしまうような、そんな賭けに出るしかない。 仙人河童の時も、賭けに打ち勝って今がある。 だが、…
031 作戦の後
上位種のオタオークが出てくるのを警戒しているが、一向に現れない。 むしろ爆破音を聞いて、先ほどボロ小屋に入っていった二匹のオタオークが戻ってきたほどである。 そちらはもちろん、速攻で始末した。 するとその時、小屋からガタリと音が鳴る。 俺…
032 イベント三日目
気が付けば、イベントは三日目を迎えていた。 二日目はオタオークの上位種よりも、ペロロさんの方が強敵だったと言っておこう。 外に出れば、やはり山が近づいてきている。 明日になれば、おそらく塔の周辺しか残らないだろう。 塔にはあまり近付きた…
033 バトルロイヤル
日付が変わる頃、俺たちは動き出す。 事前に仮眠を交代で行ったものの、長時間は同じ場所にはいられなかったので、やはり少々眠い。『来たぞ』『うん』 司令官の鏡を通して、念話を行う。 ここからは、少しの油断もできない。 そして日付が変わると同時…
034 イベントの終わりと優勝者(完)
「なんだてめぇ! ぐげらっ!?」「ろ、ロリだとっ! うべげぇっ!?」 俺が動く前に、ペロロさんがあっという間に倒してしまった。 うん、まあ……ペロロさん、強いからね。 あ、しっかり止めを刺している。 よかった。そこは甘くないらしい。 これで…