小説

018

 残り:15:19:22 酒場を出て残り時間を確認すると、あと十五時間と少しといったところだった。長いように見えて、あまり時間は残されてはいない。 あと十五時間、まずは先頭集団に追いつくことを目指した方がいいはずだ。 ちまちま数の少ないモン…

017

 出てくる敵はウルフやゴブリンといった弱いモンスターばかりだ。所見ではホーンラビットという角の生えたウサギがいたが、強さに関して言えばウルフよりも弱く、ドロップアイテムはホーンラビットの肉というものだ。 そういえば、ドロップアイテムは本当に…

016

 「ここは……天国か?」 気が付けば、俺は豪華な部屋のベッドにいた。キングサイズの屋根付きであり、まるでふかふかの雲に包まれているような感覚だ。こんなに寝心地のいいベッドなんて知らない。 だめだ……眠い。眠りたい。でもだめ。試練が……けど、…

015

 街道を進んでいると、新しいエリアに入ったのか、マッドゴーレムが複数体出るようになった。しかし、今のところ狩る理由がないので、無視して先に進む。 鈍足のマッドゴーレムは俺に追いつけない。それと、どうやらこのエリアには新しいモンスターがいなか…

014

 ボスエリアに入ると、景色は一変した。周囲は高い岩肌に囲まれており、脱出不能。おそらくよじ登って出ようとしたとしても、無駄だという雰囲気を俺は感じ取る。 そして、エリアの中央には、ボスモンスターがこちらを見下ろしているように感じた。 ……ス…

013

 やはり、マッドゴーレムは一体ずつしか出てこないな。それに、出現頻度がそこまでよくない。 あれから数時間狩り続けて、マッドドールのレアドロップである魔力泥は既に二つ手に入れているが、未だにマッドゴーレムのレアドロップは手に入れていなかった。…

012

 今日も朝がやって来た。絶望の朝だ。どうして起きなければいけないのか。この心地から瞬間的に覚醒させられる地獄。スペード神め。いつか見ていろ。 俺は、ベッドから渋々起き上がる。寝る前に毎回解いている腰までの銀髪を三つ編みに編んでいく。 チュー…

011

 最初はこの世界に来て、スペード神を手助けする程度に考えていた。人と関われば関わるほど。自分の精神が作られ、形作られていくような気がしてならない。 これもスペード神の狙いなのか? 失いたくないという気持ちにさせるための。 二日目でこうなると…

010

 確か、東は森林が広がっていて、西は平原だったはずだ。森は大型武器が使いづらそうだし、ここは西の平原に行ったほうがいいか。 俺はそう決断すると、山を下るために元来た道に戻り、そこから西に向かって走る。因みに南は草原であり、一番安全で異人の数…

009

 あれからダグールさんと話し合い、週に一度まとめて買い取るということとなった。もちろん買い取ってくれる数には限度があるので、ある程度厳選する必要がある。それでも、俺にとってはありがたかった。 そして、ガンバルさんにも定期的に作った物を見せに…

008

 さて、称号もそうだが、まさか鍛冶師ギルドでこの名前が通るとは思わなかったな。というのも、この世界で異人は同じ名前を使えない。 上と下の名前の組み合わせ次第では可能だとはいえ、この名前、ジャック・ジョーカーは、スペード神や他の陣営のことを考…

007

 どうしよう。金がない。 鍛冶師ギルドの前に来て気が付く。登録料がないということに。 ここまで来てどうしようもないな。登録料がいくらかかるかだけでも聞いてみるか。 そう思いながら、建物の中に入っていく。やはり、鍛冶師ギルドというだけにドワー…