小説

031 鬱実の正体【完】

 なんだよこれ……宇宙船? だよな? え? どういうことだ? 俺は現実が受け入れられず、棒立ちになってしまう。 それは夢香ちゃんと瑠理香ちゃんも同じようで、二人して固まっていた。「驚いたわよね? そう、これは宇宙船よ」「ッ、な、なんで宇宙船…

030 絶望と後悔

 弟くん収穫祭の初日は、あれ以降何事もなく終わった。 そして深夜の時間帯も誰か来ることが無く、現在は二日目の朝9時である。 平和だが、これで終わりだとは思えない。 いつシスターモンスターが来てもいいように、俺たちは待機している。 ちなみに、…

029 現れるロリ―ちゃん

 朝からちょっとしたハプニングがあったが、軽く朝食を食べて一息ついた。 相変わらずタブレット端末から調べた外の情報は悲惨だが、この秘密基地は至って平和だ。 しかし、気を抜くことはできない。 シスターモンスターがやってくれば、基本的に耐えるし…

028 弟くん収穫祭

 金曜日の0時、弟くん収穫祭が始まった。 といっても、深夜なのでまだ大きな動きはない。 もちろん、我慢できないシスターモンスターたちは動いているようだが、この秘密基地を狙う者は今のところいなかった。 とりあえず俺たちは、順番に見張りにつく。…

027 襲った代償

「う、鬱実さん! 何故ここに!? 確かやることがあると言って、部屋に戻っていたはずでは!?」 鬱実の登場に、夢香ちゃんが焦りだす。「ふふ、この秘密基地はあたしのよ? 凛也君の寝取られ気配にあたしが気が付かないはずがないわ! はぁはぁはぁ」 …

026 弟党

 あの日中に外出した日から数週間経った。 俺たちは、相変わらず秘密基地で暮らしている。 食料の配給には、あれ以来行ってはいない。 しかし、全くの補給無しでは厳しいため、度々深夜のコンビニへは行っている。 お兄ちゃん保護法によって、男性の生存…

025 生還を果たす

 何故鬱実がここにいるのか、そしてどうやってシスターモンスターたちを追い払ったのか理解できない。 しかし、俺を助けてくれたことは事実だった。「帰りましょう?」「あ、ああ……」 何か言われるかと思ったが、鬱実はそれだけ言うと、俺の持っている荷…

024 再び日中に外へ

「凛也君、おかえりなさい」「おかえりなさい! 無事でなによりです」「わぁ、大量ですね!」「ああ、今戻った」 秘密基地に戻ってくると、三人が出迎えてくれる。 俺は早速小学校で受け取った食べ物を確認することにした。 四人でキッチンに向かい、中央…

第2章 023 お兄ちゃん保護法

 あれから、数週間が経過した。 気温も上がり、五月も半ばである。 俺たちは相変わらず秘密基地で生活をしつつ、たまにコンビニへと買い出しに行く。 危険はあるが、今のところ全員無事だ。 また金銭的な問題だが、シスターモンスターとなっている両親か…

022 好きになった理由

 コンビニでのひと悶着を終えた後、俺たちは秘密基地へと帰還する。 帰り道は買った荷物があるため当然行きよりも時間がかかった。 しかしそれでもシスターモンスターに遭遇することはなく、警戒しすぎた分逆に疲労が溜まってしまう。 秘密基地のある山を…

021 深夜のコンビニ

「いらっしゃいませー。あら? 弟くんじゃない! こんな深夜に来るなんて、いったいどうしたの?」 コンビニに入店すると、早速シスターモンスターが話しかけてくる。 俺のことを弟くんと呼ぶので、おそらくタイプはお姉ちゃんモンスターということだろう…

020 暗闇の道中

 よし、外には誰もいなさそうだ。 あれからメインルームに戻った後、俺が最初に外へと続く梯子を上り周囲を確認した。 三人はスカートなので、俺が後に回る訳にはいかない。 そうして暗い山の中に出ると、懐中電灯を点ける。 最初は光で見つかることを危…