010 ショップと容姿
ここは……すごいな。 目の前に広がったのは、特大ショッピングモールだった。 ショップっていうからもっと狭いのをイメージしたのだが、これは良い意味で予想を裏切られたな。 前後左右に伸びていく長い通路に、上を向けば吹き抜けになっていて上階が何…
サイコキラーとラーニング小説,長編
009 クエストの収穫
無事に戻ってきたようだな。 視界が戻ると、俺はホームである六畳間の部屋にいた。「……はぁ、そこまでうまくはいかないか」 戻ってくると同時に、俺は左手に掴んでいた大きめの袋が無くなっていることに気が付いた。 どうやら、持って帰れるといっても…
サイコキラーとラーニング小説,長編
008 本当の自分
前方に発見した盗賊は、周囲を|憚《はばか》ることもなく談笑しながら歩いている。片方が背中に何か茶色い袋を背負っていた。何か良いものを手に入れたのかもしれない。 こちらには……よし、気が付いていないようだな。 これ幸いだと、俺は引き続き気配…
サイコキラーとラーニング小説,長編
007 盗賊を探せ
クエストをスタートすると、俺は見知らぬ森の中にいた。 周囲には草木が生え、盗賊が潜伏している小屋らしき建物は見つからない。 どうやらクエストと言っても、開始早々目の前に小屋があるということにはならないようだな。 制限時間は五時間。短くは無…
サイコキラーとラーニング小説,長編
006 クエスト選択
後はチュートリアルで解放されたアイテムポケットからアイテムを取り出しておくか。 スマホを確認すると、新たにアイテムポケットのアプリが追加されており、立ち上げると収納か排出を選択できるようで、当然排出を選択。 とりあえず、枠は五つしかないか…
サイコキラーとラーニング小説,長編
010 迫られる選択
「……」「……」 黒栖は|咄嗟《とっさ》の行動だったとはいえ、姫紀を抱き寄せた。その事に後悔はない。 しかし、今までに感じた事の無い、取り返しのつかない感情に襲われ、言葉を出すことができなかった。 白羽もあまりの出来事に、黙り込んでしまう。…
彼女殺しのデスハザード小説,長編
009 愚かなる閃き
おしゃれなカフェに、|黒栖《くろす》と|姫紀《ひめき》は向かい合わせで座っていた。 姫紀はホイップクリームに、様々なフルーツが盛り合わせてあるコーヒーゼリーを、幸せそうに頬張っている。 そう、プリンではなく、コーヒーゼリーだ。このカフェの…
彼女殺しのデスハザード小説,長編
008 ドツボにはまる
とあるビルの屋上に、黒栖はいた。 日はとうに過ぎ、今は翌日の昼過ぎだ。 何故このような場所にいるのか、黒栖もよくは理解していない。あえて言えば、心にぽっかりと穴が空いたようであり、それを紛らわすため、どこか高いところで風にあたりたかったの…
彼女殺しのデスハザード小説,長編
007 伝わったからこそ
黒栖と白羽は、お互いに死んでほしくないと思っている。確かな絆が生まれた瞬間だった。 しかし、それをあざ笑うかの如く、それは起こる。 前兆。それは黒栖をデスハザードとして、異世界に呼び寄せるもの。「……どうやら、行かなければならないようだ」…
彼女殺しのデスハザード小説,長編
006 知ってほしい想い
どうしたものだろうかと、黒栖は溜息が出そうになる。 現在、黒栖の自宅には白羽がいた。部屋をキョロキョロと見渡しながらも、緊張した面持ちでベッドに腰かけている。 黒栖といえば、椅子に座り両手を膝に置く姿勢は、まるで就職面接を控えた者のようだ…
彼女殺しのデスハザード小説,長編
005 帰還後の学校
「……くそがっ!」 自分の世界に戻ってくると、黒栖はそう言わずにはいられなかった。 握りしめた両手から僅かに血が流れる。 救う事ができなかった。いや、そもそも救う事はできないのだ。「……そうだ。白羽は」 思わず、視界を飛ばして白羽の安否を確…
彼女殺しのデスハザード小説,長編
005 異空間生成
これは……入ってみるか。俺の予想通りであれば、今後が一変する。 俺は目の前に現れた黒い円形の空間へと、恐る恐る足を踏み入れた。 何も無いな……。 そこに広がっていた空間は、およそ高さ5m×横幅5m×奥行5mほどの正方形をした場所であり、全…
ダンジョン転移と勇者召喚に巻き込まれたが、俺には関係ない。称号スキルで安住の地を創造します。小説,長編