ダンジョン転移と勇者召喚に巻き込まれたが、俺には関係ない。称号スキルで安住の地を創造します。

037 騒動の終わりと次に向けて

 ホームに戻ってくると獣人たちは驚きと共に、ベサル達を見て喜んだ。その後エレティアとの遭遇でひと悶着あったが、それも以前と同じように解決する。「ミカゲ殿、この度は誠にありがとうございました。我ら獣人を助けてくれたこと、生涯忘れません」 全員…

036 獣人解放と戦利品

 ランディルが去ったあと、俺たちは牢屋馬車に囚われている獣人たちを解放した。「助かりましたべガル。しかし、他の仲間が……」「みんな、遅れてすまない……」「っ! そこにいるのは人族!? なぜ!?」「大丈夫にゃ。ミカゲは人族だけど信用できる人物…

035 獣人奪還戦

「ふっ!」「ぐあっ!?」 転移して早々、俺は目の前にいた男を斬り倒す。周囲を見れば、複数の奴隷狩りと思わしき男たちがいる。そして狭い森の中に場違いな牢屋馬車があった。当然その中には獣人たちがいる。「 仲間の仇だ! くらえ!」「お前らには死ん…

034 移住への決断

「それで、どうだろうか。このホームに移り住む決心はついたか?」 俺が獣人たちにそう問いかけると、既に答えが出ているのか、代表してべガルが答える。「ああ、我々はこのホームでやっかいになろうと思う。ついては、拠点に残してきた仲間たちへの説得と、…

033 親子の再会と売り込み

「あんちゃん、帰ってき……父ちゃん!」「べ、ベサル! ベサルなのか!」 ホームに戻ってくると早々に、ベサルとべガルは鉢合わせ、互いの無事を喜び合う。「ぱぱー」「おじさんだー!」「村のみんなだ!」 それにつられて、他の子供たちも集まってきた。…

032 獣人たちへの説得

「確かに死にかけたことを恨まないと言えば嘘になるが、これまでの獣人の扱いを考えれば襲われたのも納得することができる」「なに? お前に何が分かる!」「ほら、やっぱり恨んでいるにゃ!」 俺はあえて恨んでいると言った。ここで恨んでいないと言う方が…

031 思わぬ遭遇

 直感を頼りに森の奥へと進むが、一向にブラウを発見することができない。 くそ、やはり直感だよりで探すのは無謀だったか……。 徐々に俺は不安を覚えていくが、他に方法もないことも事実なので、森の中を駆け抜けていく。だがその時、あることに気がつい…

030 新たな事件

 目が覚めると、俺はエレティアに膝枕されていた。近くにはベサルもおり、こちらを覗き込んでいる。「カミ!」「あんちゃん!!」 俺の意識が戻ったことに気が付くと、二人はそんな風に声を上げて喜びを現す。「……あんちゃん、ってのはなんだ?」 ベサル…

029 買い物と緊急事態

 はぁ、また懐が寂しくなったな。 現在俺は必要物資を買いそろえ、防具を新しく購入していた。それが済んだことで、今は宿屋の自室に戻ってきている。 ホームに戻って金銭を取りに戻ったが、まさかほとんど使ってしまうとは……。 溜息が出てしまうが、買…

028 依頼の報酬

「二人とも、ここは目立つから奥に行こうか」「わかった」「はい」 アグムとジットが衛兵に連れていかれた後、俺とブラウはルチアーノにそう言われて、奥の部屋に行くことになった。 思ったより目だったようだ。特に、ブラウが叫んだ時の注目は凄かった。 …

027 冒険者ギルドでの騒動

 道中は問題なく進んでいた。途中自己紹介をしていなかったことに気が付き、俺の名乗りを聞きながらも、後ろをブラウが付いてくる。ただし、ブラウは足を短剣で斬られた傷があるので、若干足が遅い。 麻痺は流れで治したが、傷を治してわざわざ自分の手札を…

026 獣人差別と魔素

 改めて何を訊こうかと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは獣人の差別についてだった。そのことをブラウに質問をしてみる。「俺はこの国出身じゃなくて詳しくはないんだが、獣人は何故差別されているんだ?」「え? ……それは、この国が人族至上主義だから…