ダンジョン転移と勇者召喚に巻き込まれたが、俺には関係ない。称号スキルで安住の地を創造します。

013 G級試験

 練習場の一角にて、俺は模擬戦を行うことになった。目の前にいるのは、冒険者ギルドの教官だというガイラスという男だ。 相手も同じ木剣か、俺に合わせているのか? そんなことを思いながら、互いに少し距離を取る。「ミカゲとかいったな? まぁ気軽にか…

012 冒険者ギルド

 エレバスの町は、活気に満ち溢れている。行く人々は明るく、商売人は声高らかに客を呼び込んでいた。 すごいな……何というか、人々の表情が明るい。未来に希望があるように感じる。 元居た世界では、行く先々で暗い表情の人が多かった。といっても、俺の…

011 異世界初の町へ

 現在俺は、再び街道を歩いている。手荷物は特にない。石刀はホームに置いて来ているが、疑似天地創造で創り出したので、状況によっては即座に呼び出すことができる。 それにしても、ホームに金銭の半分を置いていたのが功を奏したな。 人外集団に金銭を奪…

010 スラッシュの確認

 なるほどな。そんなうまい話はないという訳か。ダンジョンで手に入るアイテムを作り出せれば、怖い物なんて無いに等しいだろうしな。 ダンジョンから時折見つかるアイテムは、物によってその価値はユニーク称号所持者に迫る物まで存在していた。それを自由…

009 力の確認

 元はホームに戻るために用意したが、今回はいい方向に転がったな。 そう思いながら俺は自らの手の平に|創り出した《・・・・》石ころへと視線を移す。それは、転送/召喚の称号スキルでホームと行き来するために必要なものだった。 一度ホームに戻ってし…

008 遠い記憶と核

 深い、闇の中に俺はいた。いや、これは夢なのだろうか。灰色の映像が映し出されている。「君の両親は立派だったよ。ダンジョンに迷い込んだ子供たちをモンスターから命がけで助けた上に、そのまま|囮《おとり》になって皆を助けたんだから」 それは、遠い…

007 街道での事件

 道中は至って平和だった。街道の端からモンスターがやってくることは無いし、人とすれ違うこともない。 意外と人通りは少ないのかもしれないな。 当初街道で人とそれなりにすれ違うのではないかと警戒していた。それはもちろん、エレティアがゾンビだと気…

006 移動手段

 目が覚めると、そこは洞窟の中だった。 ここは……ああ、そうか。ダンジョンを作ったんだっけ。「あー」「おはようエレティア」 横に視線を向けると、そこにはエレティアが昨日と同じ場所に立っていた。ゾンビだから寝る必要が無いのかもしれない。そもそ…

005 異空間生成

 これは……入ってみるか。俺の予想通りであれば、今後が一変する。 俺は目の前に現れた黒い円形の空間へと、恐る恐る足を踏み入れた。 何も無いな……。 そこに広がっていた空間は、およそ高さ5m×横幅5m×奥行5mほどの正方形をした場所であり、全…

004 重要な可能性

 よし、最低限の準備が整ったな。 俺は騎士風の男ゲスゴーノが持っていた片手剣を剥いだ鞘に入れて左腰に差し、盗賊の一人が持っていた短剣も同様に背中側の腰に身に着けた。 やはり、剣があるだけで安心感が違う。元々剣士の称号をメインに戦闘を熟してき…

003 突然の襲撃者

「エレティア・レイマーズ。お前にルドライナ枢機卿に嫁がれると面倒なんだ。俺の出世のためにも死んでくれるよな?」 突然現れた騎士風の男はそう言って剣を抜くが、先に動いた者がいた。「あ“あ“ぁああ!!」「なっ!? ぐべぇ!?」 信じられない速度…

002 称号スキル

≪ゾンビシスター『エレティア・レイマーズ』に支配契約を実行致しますか?≫ 実際に声が聞こえたわけじゃない。けれども、それは確かに俺の脳内に浮かび上がっていた。 何だこれは? 支配契約? 訳が分からないが……。 突然のことに混乱してしまうが、…