ダンジョン転移と勇者召喚に巻き込まれたが、俺には関係ない。称号スキルで安住の地を創造します。

025 東の森

「ふッ」「ギュビビッ!?」 俺は目の前に現れたグリーンキャタピラーを両断した。小型犬ほどの大きな芋虫ではあるが、吐かれる糸さえ気を付ければ相手にはならない。 芋虫だけに動きが遅いのもあって、楽に倒せるな。 倒されたグリーンキャタピラーは光り…

024 常時依頼

 俺が冒険者ギルドにやってくると、担当であるルチアーノの元へと向かう。「やあ、いらっしゃい。早速依頼を受けるかい?」「ああ、今日は討伐系を頼みたいのだが」「討伐系? おや、どうやら剣を手に入れたようだね。武器無しなら厳しいと思ったけれど、持…

023 保護をする理由

 魔力をかなり使ってしまったな。維持するための魔力も馬鹿にならない。だが、戦闘で使う分にはまだ余裕はありそうだ。 途中からホームの拡張が楽しくなってしまい、魔力を湯水のように使ってしまった。しばらくホームの拡張は控えた方がいいだろう。 さて…

022 移動と拡張作業

「それじゃあ、お前らを俺のホームに招待しようと思う」「ホーム?」 獣人が囚われていた部屋に戻ると、俺は早速そう切り出す。ベサルはそれに対し、若干不思議そうに訊き返してくる。「ああ、ホームだ。俺が拠点としている場所だが、安全は保証しよう。移動…

021 獣人の子供たち

 こいつは、似ている。俺と直接戦った獣人の男とそっくりだ。 俺はその偶然に驚く。しかし、だからといってやることは変わらない。むしろ好都合とさえ思えた。 あの獣人は強かったからな、こいつを保護しておけば役に立ちそうだ。「俺はミカゲだ。まあ落ち…

020 盗賊の頭

 何でこんなところに獣人の子供が……って普通に考えたら盗賊に捕まったんだろうな。 獣人の子供たちは、檻の中ですやすやと眠っているようだった。その首には、見覚えのある首輪がされている。 あの首輪は、確か獣人集団が付けていたものと似ているが、同…

019 盗賊の塒

 ホームを経由して盗賊がいると思われる森へと俺はやってきた。 確か、あの盗賊の話ではあと八人仲間がいるんだよな。 潜んでいるであろう人数を思い浮かべながら、盗賊が仲間のいる場所を指さしていた方角を見つめる。森を出るとき、その盗賊が指さした逆…

018 満腹と浅い眠り

 ……もう満腹だな。 あれからひたすら素振りをしていた俺は、夕食時になったこともあり宿屋の一階で食事をしていた。出てきた献立は、野菜のスープに肉の炒め物、それに少々固いパンである。内容はシンプルだが、量だけは多い。 普通の二倍はあるな。だが…

017 鳥のゆりかご亭

 ここがルチアーノの紹介してくれた宿屋か。 大通りから少し外れた場所にあるが、二階建ての立派な宿屋だった。看板には、宿屋の名称である鳥のゆりかご亭という文字が記されている。「いらっしゃい。宿泊かい?」「はい、とりあえず三泊頼みます。それと、…

016 小競り合い

「おう。お前凄い力持ちなんだな!」「武器を持っていないところを見るに格闘家か?」 俺が木箱を運んでいると、不意に若い冒険者二人から声をかけられた。「ん? いや、格闘家ではないな」 急になんだ? それよりも、木箱運べよ。 誰がいくつ運んでも全…

015 初依頼

「うん。これなんかどうかな。今近い時間帯ではこれがお勧めだよ」「倉庫から別の倉庫への荷移しか」 受付のカウンターに戻ると、ルチアーノが早速依頼を勧めてくる。戦闘系の依頼だと思っていたので、少し腑に落ちない。ちなみにだが、冒険者のルールなどの…

014 契約冒険者について

 契約冒険者? なんだそれは? そのような制度があるという話は、盗賊の男からは訊いていなかった。「ああ、僕の契約冒険者になれば、依頼の紹介をしてあげるし、ランクの昇給審査も通りやすくなるよ。他にも、メリットはたくさんあるんだ」 そこだけの部…