092 ツクロダとの決戦 ①
「ははは! よくぞここまで来たな! ぼくちゃん感動したよ!」 ボスエリアに入って早々、そんな笑い声が聞こえてくる。 当然その人物は、ツクロダだ。 ボスエリアは広く、奥には階段がある。 そして階段の上で、ツクロダが玉座に座り見下ろしていた。 …
monster card小説,長編
091 ツクロダダンジョン ⑤
そうして無事に壁尻とか呼ばれる最悪な罠から、俺は抜け出した。 ブラッドに思うところはあるが、今は我慢する。 それよりも、なぜこの罠が発動したかだ。 まずブラッドは罠感知のスキルを持っていたはずだが、それをすり抜けるほどに|隠蔽《いんぺい》…
monster card小説,長編
090 ツクロダダンジョン ④
よし、この作戦で行こう。 俺は少しの間考えを巡らせ、一つの作戦を思いつく。 かなりごり押しになるが、モンスターを突撃させるより効率がいい。 まず初めに、ブラッドをダークネスチェインで|簀巻《すま》き状態のようにする。「う”ぅ”がぁ”あ”!…
monster card小説,長編
089 ツクロダダンジョン ③
罠に注目してみると、何やらワイヤーのような物が足元に張られている。 明らかに分かりやすい罠だが、油断はできない。 それ自体がブラフであり、その近くに違う罠がある可能性もあった。 他にも奥を見れば、壁から一定の時間経過で槍が飛び出す罠が見え…
monster card小説,長編
088 ツクロダダンジョン ②
ダンジョンを進みながら、俺は地図を描いている。 これまでのダンジョンでは、モンスターに道案内をさせていた。 なので地図を描くという事が頭になく、同じ場所まで来るのに時間がかかってしまう。 ちなみに紙とペンは、ストレージから出していた。 ま…
monster card小説,長編
087 ツクロダダンジョン ①
このダンジョンの造りは、コンクリートのような灰色の壁をしている。 天井には光る石が埋め込まれており、意外と明るかった。 最初にいた場所は小部屋になっており、出ると迷路のように入り組んだ通路が続いている。 俺とブラッドは、その通路を進んでい…
monster card小説,長編
086 ツクロダの登場
ツクロダは来ると言っていたが、中々来ない。 てっきり突然転移してきてもおかしくないと思っていたのだが、違ったのだろうか? それとも、他の仲間を集めている可能性もある。 加えてあれから、目の前の少女とツクロダは連絡を取っていない。 また少女…
monster card小説,長編
085 王城侵入
王城に近づけたまでは良かったが、ここからが問題だ。 まず王城は周囲を堀で囲まれており、その奥には城壁がある。 出入口は正面の一つであり、そこは当然守りを固められているだろう。 正面突破は、消耗が激しくなる。 であれば他の隠し通路から侵入で…
monster card小説,長編
084 協力関係を結ぶ
「何がどうなっているんだよ!!」 倒壊したボロ小屋の中から、ブラッドが姿を現す。 やはり無事だったようだ。「どうやら、ツクロダがモンスターを送り込んできたみたいだね。完全に狙われているよ」「な!? あいつ、そんなこともできたのか!?」 ブラ…
monster card小説,長編
083 ウルフマン・ブラッドボーン
そんなカミングアウトをされた訳だが、どう返事をしたものか。 狼男、ウェアウルフなら、ケモ仮面の正体というのにも納得だ。 けれども、それを言うためだけに俺に声をかけたのではないだろう。「それは分かったけど、私をここに連れてきた理由は?」「え…
monster card小説,長編
082 王都ラブアで情報収集
無事に宿屋を見つけ、ようやく俺は一息つく。 ちなみに宿のグレードは、真ん中辺りだ。 低すぎると面倒な事が起こりそうな気がするし、高すぎるのも考えものである。 確かにグレードの高い宿には権力者がいそうだが、情報収集にはリスクが|伴《ともな》…
monster card小説,長編
081 王都へ
演習場に下りるために近付くと、十メートルほど離れた場所に下りるように指示をされる。 特に逆らう必要はないので、俺は指定された場所に下りた。「なに!? 獣人だと!?」 すると男から、そんな驚きの声が出てくる。 現在はレフと融合した猫耳メイド…
monster card小説,長編