長編

104 別れの時

 まずオーバーレボリューションをする対象は、リビングアーマー千枚である。 その生贄に、ブラッドをまずは選ぶ。 しかしこれだと生贄が足りないので、アシッドスライムとミディアムマウスを足していく。 だが驚くことに、全て足してもまだ生贄が足りなか…

103 帰還から一ヶ月後

 カード化が可能になるまでに、およそ一ヶ月もかかってしまった。 これで半減しているので、本来は二カ月必要だったという事になる。 約一週間融合していると、ここまで長引くのか。 これからは、融合や幻影化は短期間での使用を心がけることにする。 俺…

102 新たな可能性

 俺がハパンナの街に戻って来てから、あっという間に日々が過ぎていく。 リードとも再会して、戻ってきたことを喜ばれた。 そして俺はカード化が再びできるまでの間、ハパンナ子爵の元で手伝いをしている。 食料を確保するためダンジョンに潜ったり、街道…

101 ハパンナの街へ帰還

 ようやくハパンナの街が見えてきたので、近くで下りる。 既に融合は解いているので、直接乗り込むのはやめておいた。 中にはジフレの時の姿を見ている者もおり、そうした者に説明することはできない。 融合について知っている者は、少ない方がいいだろう…

100 帰り道での成果確認

 ラブライア王国の王都ラブアは、混乱状態のようだ。 上空からでもそれが、よく分かる。 おそらく魔道具が壊れたことで、ツクロダの死を理解した信者が発狂したのだろう。 中には自壊の理由を知る、高位の信者もいたはずである。 それがいくつも起こり、…

099 白い球体

 俺は熟考の末、カード召喚術を強化することを決める。 理由としては、その方が将来性が高い気がしたからだ。 どのような強化がされるのかは不明だが、二重取りの場合は少しは予想ができる。 おそらく発動条件の緩和か、凄くて三重取りになるかだろう。 …

098 ブラッドとの戦い

 「一目ぼれだったんだ、諦められねえ! ジフレちゃんが強いのは十分理解している。けど、今はこれ以上ないくらい消耗しているはずだ! それに引き換え、俺は全く疲れてない! 全力を出せる!」 それは、俺が死なないように守ってやったからだろ……。 …

097 ダンジョンからの脱出

 ブラッドの強制決闘も消えているので、俺たちはこのまま出口へと急ぐ。 もちろん、生き残っていたモンスターはカードに戻す。 そしてここはボスエリアであり、奥には通路があった。 バリアを発生させていた二つの水晶も柱ごと自壊しており、通るのは問題…

096 ツクロダとの決戦 ⑤

 「クソが! それで勝った気でいるんじゃねえぞ! この程度じゃ、ツクロダロボの魔力は尽きないからな! それに犬畜生を先に殺せば、僕ちゃんの勝ちだ!」 そう言ってツクロダは、リビングアーマーを追加で何体も召喚する。 当然狙いは、ブラッドだ。 …

095 ツクロダとの決戦 ④

 まずはいつも通り鑑定を飛ばすが、当然通らない。 それは何となく分かっていたので、|焦《あせ》る必要はなかった。 続いて獣の腕を人型に戻し、取り出した|緑斬《リョクザン》のウィンドソードからウィンドカッターを放つ。 だが、それも効いた様子が…

094 ツクロダとの決戦 ③

  ダークネスチェインを駆使して、リビングアーマーを倒す。 またモンスターたちに指示を出して、なるべく消耗を抑えるように戦わせる。「ぐあぁ!?」 すると、ブラッドのそんな悲鳴が聞こえてきた。 集中して狙われているからか、避け切れないみたいで…

093 ツクロダとの決戦 ②

「こいつはダンジョンにいたイレギュラーモンスターとかいう、Aランク超えだったやつだ。 改造に失敗して自壊し始めたが、僕ちゃんの天才的な頭脳でそれも克服した! 強さだけならたぶん、Sランクはあるんじゃないかな?」 ツクロダは自慢するかのように…