1.『あらすじ』
其が背負うは、勇者殺しの咎。
第7魔王子・ジルバギアスに転生した勇者・アレクサンドルは、前世の戦友であるホワイトドラゴンの長・ファラヴギを討ち、その娘・レイラを仲間とした。
汎人類同盟との初陣を間近に控えたジルバギアスは、戦場での部下を見繕うためにレイジュ族の里へ帰郷する。そこで目にしたのは、牧場で『飼われる』人族の過酷な実態だった。里では魔族の手荒い歓迎が容赦なく襲いかかり、初陣を見据えた地獄の戦闘訓練が幕を開ける。その果てに課された、生け捕りにされた勇者との殺し合い。それは、ジルバギアスに同胞殺しの咎を迫るもので――。
復讐の炎が魂を焼く、偽りの魔王子の国崩し、第3幕。引用:OVER LAP
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
近々初陣を控える第7魔王子ジルバギアスは、顔合わせと部下を手に入れるためにレイジュ族の里へと向かうことになった。
その道中で立ち寄ったレイジュ族の治めている村では、なんと人族が家畜化されていたのである。
ジルバギアスは人族牧場の説明を聞きながらも、怒りの感情を抑え込むしかなかった。
そして村を出て移動することしばらく、ジルバギアスはレイジュ族の本拠地へと辿り着く。
ジルバギアスはそこで叔父であるジジーヴァルト=レイジュを始めとして、従兄妹のエイジヴァルトやルミアフィアとも挨拶を交わす。
しかし従妹のルミアフィアに至っては、ジルバギアスがペットのリリアナやメイドのレイラなどを連れていたことで嫌われてしまう。
そして開かれた宴の席でレイジュ族が次々にジルバギアスへと挨拶をするが、どうにも舐められてしまうことが多々あった。
更にどういう訳か、元族長の血筋であるゲルマディオスと小競り合いに発展してしまう。
また後半ではジルバギアスは配下になった者を連れて、初陣に向けて訓練をすることになった。
そこでジルバギアスは祖母であるゴリラシア=ドスロトスと出会うが、思わぬ危機を迎えてしまう。
どうやらゴリラシアは他人の感情の色を読み取る血統魔法を扱えるようであり、ジルバギアスは隠している感情を読み取られてしまうのであった。
果たしてジルバギアスは、無事に初陣のための修行を完了させて帰還することができるのであろうか。
2-2.『感想』
この三巻では、ジル君が初陣の前に一度レイジュの里に向かうストーリーになっています。
レイジュ族はジル君の母親の実家であり、顔見せと初陣のために部下を手に入れるという理由がありました。
結果として目的は達成されるのですが、今回もジル君の精神に大きな負担を与えることになりましたね。
毎回、ジル君の心が心配になります。
仲間だけれども、いつかは裏切り殺さなければいけない。
そう考えると、私自身読んでいて複雑な気持ちになりますね。
今巻でも、死んでほしくない新キャラが登場しました。
ジル君の新しい部下でレイジュ族のアルバーオーリル君といいまして、凄く良い人なんですよね。
魔族では珍しく、弱者を気にかける人物です。
しかし悲しいかな、私はweb原作を読んでいるので、彼のその後を知っているのです。
書籍版ではどうなるのか、次巻以降が気になりますね。
ですがおそらく……。
話を戻します。
他にもレイジュの里では、ジル君の祖母であるゴリラシアさんが登場しました。
はい、名前の通り能筋系ですね。
彼女の登場でジル君の決意は、また一歩進みました。
やはり長く共に暮らしていると、魔族でも良い母親を憎む事は難しいですよね。
あとは従妹のルミアフィアちゃんですが、意外な展開になりました。
普通ならヒロイン候補になったり重要な役割を与えられそうですが、この作品はやはり違いますね。
個人的には、とても良い展開だと思いました。
書き手としても勉強になります。
ですが少し可哀そうとも感じたので、ルミアフィアちゃんには強く生きてほしいですね。(^-^;
今回はある意味準備回であり、次巻からはいよいよジル君の初陣です。
今から四巻が待ち遠しいですね。
初陣の前に修行と部下を見繕うためにレイジュ族の里へと向かう今巻に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記Ⅲ
- 著者:甘木智彬
- イラスト:輝竜司
- 発売日:2023年6月25日
- 定価: 880円(税込)
- 発行:オーバーラップ
- レーベル:オーバーラップ文庫
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
- 第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記Ⅰ (オーバーラップ文庫)
- 第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記Ⅱ (オーバーラップ文庫)
- 第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記Ⅰ (ガルドコミックス)
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