1.『あらすじ』
なんとなく楽しい、そんな時間が心地よくて。
いつものファミレス――そこは、親の再婚でなんとなく家に居づらくなった俺の逃避先。家族と無理に過ごさずにすむ、自分だけの居場所。
そんなファミレスでいつも見かけるクラスメイトの加瀬宮小白は、誰とも馴染まない孤高の美少女。
どうやら彼女も家に居場所がないらしい。ひょんなことからお互いの秘密を語り合った俺たちは、
遅く帰るためのアリバイを作る《ファミレス同盟》を結ぶことになって……。
その日から俺たちは、お互いがありのままでいられる関係になり、退屈だったファミレスでの時間は小白と愚痴り合う楽しい時間になった。
「「―――明日の放課後、いつもの店に集合で」」
放課後のファミレスで、今日もふたりの帰らない理由探しが始まる。引用:電撃文庫
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
主人公の成海紅太は、高校の放課後一人ファミレスで時間を潰すのが日課である。
理由は母親の再婚であり、義父と義妹とは不仲ではないが、居心地が悪かった。
なので放課後やバイトの後は、ファミレスで遅くまで時間を潰しているのである。
しかしそんなファミレスには、紅太と同じような常連客がいた。
その人物はクラスメイトの女子生徒、加瀬宮小白である。
小白とはクラスメイトであるが接点はなく、ろくに会話をしたこともない。
同じファミレスの常連客。ただそれだけの関係だった。
けれども母親との通話を聞かれたことを切っ掛けに、会話を交わすことになる。
どうやら小白も家族との問題を抱えているようであり、教室では孤高の存在であったため、話し相手がいなかった。
また姉が有名なシンガーソングライターということもあり、近寄ってくる人間が姉への接触目的が多かったことも原因である。
だが紅太はそうしたことはなく、似たような悩みを持っていたため、小白も気が緩む。
そうして些細な始まりであったが、二人は会話を続けた結果、意気投合した。
そしてファミレス同盟を結成して、放課後お互いの愚痴を言い合う仲になる。
自然と放課後に愚痴を話し合っているうちに、自然と二人の距離は近づいていくのだった。
果たして二人の関係は、今後どのように変化していくのであろうか。
2-2.『感想』
この小説はお互いに家族の問題を抱えた二人が、ファミレスで意気投合して愚痴を言い合う仲になる展開です。
家に帰るのに抵抗があった二人は、放課後ファミレスで時間を潰していました。
最初はただ同じ空間にいる常連客同士でしたが、些細な切っ掛けにより、会話をすることになります。
話せばお互いに状況や趣味嗜好が似ており、退屈な時間が吹っ飛んだ感じですね。
ファミレス同盟を結成して、仲を深めていきました。
少しずつお互いに意識していき、友達以上の気持ちが芽生えてくるのが良いですね。
またお互いに家族の問題を抱えていますが、そちらにも変化が生まれてきます。
紅太君の方は、義父と義妹への会話が少し改善されました。
しかし小白ちゃんの方は、一波乱ありそうですね。
今巻の最後は、不穏な終わり方でした。
これは次巻、どうなるのか続きが気になって仕方がありません。
それはそうと、ファミレスが鍵となるラブコメは、初めて読みました。
ただファミレスで出来ることは限られているので、次巻以降どのようにファミレスを使うのか、それが楽しみです。
今巻は、王道的なファミレスの使い方といった印象でした。
勉強に使ったり、お喋りしたりといった感じです。
後は紅太君の義妹や、小白ちゃんの姉がどのように物語に絡んでくるかですね。
紅太君の義妹は優秀な美少女ですが、何やら普通の家族にこだわる闇を抱えている気がしました。
対して小白ちゃんの姉は有名シンガーソングライターであり、何でも熟す超人みたいな存在です。
次の二巻では、その姉が登場するみたいですね。
果たして紅太君と小白ちゃんの関係に、何をもたらすのか少し心配です。
ですが、そうした波乱が見たくなってしまうのが、読者としての心情ですね。
そういう訳で引き続き、この作品を読んでいこうと思います。
ファミレスで意気投合した美少女と同盟を結成する物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:放課後、ファミレスで、クラスのあの子と。
- 著者:左リュウ
- イラスト:magako
- 発売日:2024年1月10日
- 定価:726円(本体660円+税)
- 発行:KADOKAWA
- レーベル:電撃文庫
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
【著者:左リュウの別作品】
- 俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。 1 (HJ文庫)
- 悪役王子の英雄譚 ~影に徹してきた第三王子、婚約破棄された公爵令嬢を引き取ったので本気を出してみた~ (電撃の新文芸)
- 人間だけど魔王軍四天王に育てられた俺は、魔王の娘に愛され支配属性の権能を与えられました。1 (アース・スターノベル)
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