【レビュー】悪魔公女1【感想】

1.『あらすじ』

――光溢れる世界の夢を見る。
家族。学校。友達。電車。バス。映画。本。
『私』は光の世界で成長し……最後に白い部屋の中で、闇に包まれた。
夢から覚めると、魔界と呼ばれる世界で小さな一体の悪魔になっていた。
「――帰りたい――」
『私』の心に広がるのは、夢で見た光の世界への憧れ。
そしてある日、目の前に現れた『召喚門』に飛び込む。
再び『私』が目を覚ますと、人間の赤ん坊として生まれていた。
そこは神聖王国。「帰りたい」と願った世界とは異なる人間の世界。
悪魔でありながら、赤ん坊の力しかない『私』は恐怖する。
自分が悪魔だということは隠し通さなければ――……。

さあ、愛しき人間たちよ。
その絶望を“悪魔わたし”に捧げよ。

引用:講談社コミックプラス

※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。

2-1.『レビュー』

 前世かもしれない光あふれる世界の記憶を持つ主人公は、魔界と呼ばれる精神界で一体の悪魔になった。

 その世界で主人公は、強大な力を持つ『暗い獣』という黒豹のような悪魔に出会う。

 主人公は知性があり会話ができる数少ない者として、暗い獣と共に過ごすことになった。

 また主人公の体は、金色の毛を持つ蝙蝠の羽を生やした猫のような肉体に変化する。

 加えてその見た目から暗い獣に『金色の獣』と呼ばれるようになった主人公は、悪魔として着実強くなっていくのであった。

 しかし日々過ごす中で主人公は、光あふれる世界に帰りたいという気持ちが徐々に強くなっていく。

 そして帰りたいという気持ちが通じたのか、偶然にも召喚門が現れる。

 暗い獣が引き留める中、主人公は自らの力も使って向こうの世界へと旅立つ。

 結果として人々が住む物質界に来ることができた主人公だったが、何故か肉体が赤子へと変わってしまった。

 そこでユールシアという名前の女の子になった主人公は、人として生きていくことを決める。

 だが住んでいる国は宗教色の強い神聖王国であった。

 当然悪魔であるユールシアは正体を隠しながら生きていくが、周囲からはいつの間にか聖女だと思われ始める。

 果たしてユールシアは、悪魔とバレずに生きていくことができるのであろうか。

2-2.『感想』

 この小説は一匹の悪魔が人間の赤ちゃんに転生して、無自覚にも周囲を魅了していくストーリーになっています。

 主人公のユールシアちゃんは、元々精神界の魔界という場所に悪魔として存在していました。

 また現代の地球に住んでいた前世の記憶のようなものがあり、人の世界にどうにかして帰りたいと思っていたようです。

 なので魔界に現れた召喚門に飛び込んで、人の世界に召喚された訳ですね。

 しかし結果として、何故かユールシアちゃんという人の赤ちゃんに転生してしまいました。

 一応赤ちゃんに転生しても、悪魔の力は最低限残っているようですね。

 と言っても最初はほとんど何もできず、物語が進んでいくにつれて少しずつ力を取り戻していくようでした。

 後半のユールシアちゃんは正に悪魔的で、とてもかっこよかったです。

 そんな作中で個人的に面白かったのは、Gを町中に大量召喚したシーンと魚を回復させる場面ですね。

 他にもファンタジー世界お馴染みのエルフとドワーフの名称が面白く、つい笑ってしまいました。

 あとは周囲がシリアス展開や真面目なのに、ユールシアちゃんの考えが周りとズレているのが最高ですね。

 加えてイラストも可愛らしく、中には少しデフォルメされた笑いを誘うものもあります。

 また話の展開もバランスが良く、気が付けば読み終わっていました。

 夢中になれる小説って、あっという間に時間が過ぎるんですよね。

 次巻からはタイトル通り悪魔公女として、ますます活躍すると思います。

 ユールシアちゃんがどんなシリアス展開を蹂躙じゅうりんするのか、今から楽しみですね。

 人間に転生した悪魔が神聖王国で聖女だと勘違いされていく物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。

3.『今回のレビュー書籍』

書籍情報
  • タイトル:悪魔公女
  • 著者:春の日びより
  • イラスト:海鵜げそ
  • 発売日:2022年6月2日
  • 定価:1,540円(本体1,400円)
  • 発行:講談社
  • レーベル:Kラノベブックス

 よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。

4.『関連書籍』

 

  • 悪魔公女2 (Kラノベブックス)
  • 悪魔公女(1) (シリウスKC)

 


 

【著者:春の日びよりの別作品】

  • 乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル

  • 乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル@COMIC 第1巻 (コロナ・コミックス)

 


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