【レビュー】多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉【感想】

1.『あらすじ』

 並行世界を渡って、理想の青春を。

 普通の高校生・湯上秀渡は事故をきっかけに『並行世界を行き来する力』を手に入れ、それ以来””理想的な青春””が存在する並行世界を数多く渡り歩いていた。

 憧れの幼なじみ・友永朝美との交際、ミステリアスな先輩との生徒会、思春期な義妹との生活など──面白い世界を見つけて好きに選べるなんて最高!

 ……しかし、突然『全ての並行世界が1つに統合される』現象が起き世界が急変。各世界のヒロイン達全員が同じ世界に現れてしまう!

 さらに、友永朝美に乗り移った””未知の並行世界の朝美””から「世界の統合は秀渡君が修復できる」といきなり告げられ……? 

 新世代がエモーショナルに描く、カオスSF青春劇開幕。

引用:MF文庫J

※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。

2-1.『レビュー』

 主人公の湯上秀渡ゆがみひでとは、事故を切っ掛けに様々な並行世界に渡ることができるようになった。

 まぶたを閉じれば、他の並行世界へと行ける扉が広がる世界へと行ける。

 そこを通称”扉の世界”と呼称して、秀渡は様々な並行世界を渡り歩いた。

 幼馴染でトップアイドルの友永朝美ともながあさみと、ファンに内緒でこっそり付き合う世界。

 樹里じゅりという義理の妹がいて、何かと世話を焼く世界。

 一つ年上の生徒会長の南陽菜乃みなみひなのに生徒会に入れられて、こき使われる世界。

 他にも様々な世界で、秀渡は違った人生を送る自分に乗り移って青春を楽しんだ。

 しかしそんな日々を続けていたある日、世界が統合され始める。

 それにより様々な世界が入り乱れ、親しかった知人や家族も同じ顔をした別人になってしまう。

 秀渡はこの現象を一人認識していたことで、自分自身が原因かと考える。

 だがその時科学技術が発達した並行世界からきた幼馴染、朝美が姿を現す。

 この原因について知っているようであり、解決の方法も口にする。

 だがこれを切っ掛けに、秀渡はより複雑な問題へと放り込まれるのであった。

 果たして世界の統合問題を無事解決して、秀渡は理想の世界を取り戻せるのであろうか。

2-2.『感想』

 この小説は事故を切っ掛けにより、並行世界の自分に乗り移ることができるようになるストーリーとなっています。

 主人公の秀渡君は、並行世界で様々な青春を謳歌おうかしました。

 幼馴染、義妹、先輩、他にも様々な出会いを繰り返します。

 また似たような状況の世界を繰り返しては、発言内容を変えてゲームのように様々な選択枠をためしました。

 最初は気に食わない状況になると、二度と同じ世界にはいかなくなります。

 もちろんその世界にも秀渡君はいるので、結果的に失敗だけを押し付けた形になりましたね。(^-^;

 最初は読んでいて、能力に目覚めてヒャッハーしている主人公だと思ってしまいました。

 けれども並行世界の統合が起きたことで、変わっていきます。

 どうやら文明がはるか先に進んだ並行世界があり、他の並行世界を統合して消し去ろうとしているみたいでした。

 そんな先進世界では、並行世界に行く技術が確立されているみたいです。

 ただイレギュラーだったのが、秀渡君だったわけですね。

 次第に秀渡君は狙われ始め、精神がすり減っていきます。

 その中で成長していき、過去の秀渡君とは変わっていきました。

 最終的な展開としては、良い落としどころだったと思います。

 またこれまでに読んだことのない、SFラブコメでした。

 新鮮な気持ちで読むことができたので、満足です。

 内容も、この一冊で完結しているみたいですね。 

 なので、次巻は無いと思われます。

 次の作品がどのようになるのか、そちらを楽しみに待つことにしました。

 今作のような他には無いラブコメを読むのが、待ち遠しいですね。

 並行世界で様々な青春を送っているはずが世界の統合事件に巻き込まれる物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。 

3.『今回のレビュー書籍』

書籍情報
  • タイトル:多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉
  • 著者:眞田天佑
  • イラスト:東西
  • 発売日:2023年11月25日
  • 定価:748円(本体680円+税)
  • 発行:KADOKAWA
  • レーベル:MF文庫J

 よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。

 


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