1.『あらすじ』
――その男、異世界の胃袋を鷲掴み!!
現代日本から剣と魔法の異世界へと召喚された向田剛志。どんな大冒険が待っているのかと思えば、実はムコーダは「勇者召喚」に巻き込まれただけの一般人だった! そんなムコーダの初期ステータスは正規の勇者(3人もいる!)に比べてかなりしょぼい……。さらにムコーダたちを召喚した王国がうさん臭く、「あ、これ勇者を利用しようとするやつだ」と察して一人城を出るムコーダ。この異世界でムコーダが唯一頼りにできるのは固有スキル『ネットスーパー』――現代の商品を異世界に取り寄せられるというものだけ。戦闘には向かないが、うまく使えば生活には困らないかも? と軽く考えていたムコーダだったが――? 実はこのスキルで取り寄せた現代の「食品」を食べるととんでもない効果を発揮してしまうことが発覚! さらに、異世界の食べ物に釣られてとんでもない連中が集まってきて……!?
「小説家になろう」年間1位のとんでも異世界冒険譚、ついに登場!引用:OVER LAP
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
27歳独身のサラリーマンだった主人公向田剛志は、気が付くと異世界に召喚されていた。
しかも向田は勇者召喚に巻き込まれただけの者であり、勇者として召喚されていた少年少女たちと比べてとても弱いようである。
更に勇者たちは聖剣術や聖魔術といった優れたスキルの数々を所持していたが、向田が所持していたのはネットスーパーというネタのようなスキルだった。
それを知られた向田は勇者たちに笑われてしまい、その反応から向田たちを召喚したレイセヘル王国の王様に使えないと判断されてしまう。
またレイセヘル王国の召喚理由は魔王の討伐のためであり、肝心の帰還方法は魔王が知っているというなんとも信憑性の低いものである。
向田は身の危険を感じて、無能だと思われたことを利用して手切れ金を貰い王宮から脱出しするのであった。
それから向田は宿屋でネットスーパーの能力を確認すると、どうやら地球の食料品や雑貨などを異世界の金銭で購入できる能力だと判明する。
向田はこのスキルで商売を始めることを決めて、冒険者ギルドで護衛を雇い危険な雰囲気のあるレイセヘル王国から出て隣国へと向かい始めた。
なお道中はネットスーパーから購入した食材などで料理をふるまい、護衛の人々から絶賛される向田。
だがその美味しそうな匂いを嗅ぎつけて、伝説の魔獣と呼ばれているフェンリルが現れた。
向田は料理を欲したフェンリルの言われるがままに、作った料理を差し出す。
するとフェンリルはその料理を甚く気に入り、向田の従魔になった。
向田は異世界でムコーダと名乗り、フェンリルや後に仲間になるスライムのスイたちと共に、世界を放浪しながら美味しいご飯を作り続ける。
更に地球産の甘味に誘われて、風の女神ニンリルにも注目され始めるのであった。
2-2.『感想』
勇者召喚に巻き込まれたムコーダさんは、ネットスーパーという地球のイ〇ンの通販サイトに酷似したところで買い物ができる能力を手に入れました。
異世界の通貨で購入可能なようでして、注文すると目の前に即座に現れます。
中世ヨーロッパ風の世界なので、香辛料などがやはり高く売れるようですね。
ムコーダさんは銀貨1枚(1,000円)で購入した胡椒を金貨17枚(17万円)で売ることに成功しました。
これは私なら笑いが止まりませんね。しかしやり過ぎると目を付けられそうなので、注意が必要でしょう。
ちなみにネットスーパーのスキルはama〇onではなく、イオ〇なので何でも売っているという訳ではないようです。
異世界召喚で戦闘系のチートスキルも良いですが、こういった地球の物を購入することのできるスキルも最高ですよね。
ですがその代わりムコーダさんの戦闘能力は当然低い訳ですが、それについても心配はありません。
ネットスーパーで購入した食材や調味料によって作られた料理により、伝説の魔獣フェンリルが仲間になりました。
どうやら地球の料理をとても気に入ったようであり、数十年仕えるだけの価値があったようですね。
なおムコーダさんにフェンと名付けられたフェンリルは、国すらも単独で滅ぼせるほど強いそうです。
更には、ネットスーパーで購入したものを食べさせることでレベルを上げていくスライムのスイも仲間になりました。
ムコーダさん自身は弱くても、従魔たちが最強なので問題ないですね。
しかしそれでもこの異世界の情勢は不安定であり、あちこちで差別や戦争が蔓延っています。
勇者召喚した国も魔王を倒すためと言っていましたが、実は自国の領土を拡大するための戦力を欲しているだけの様でした。
なのでムコーダさんは、平和で差別の無い国を求めて放浪します。
ちなみに、今のところヒロインらしいヒロインは登場していません。
準ヒロインとして風の女神ニンリル様がいますが、直接異世界に降臨することはなく、ムコーダさんに甘味を催促する残念女神状態です。
という訳で現状ヒロインが不在なのですが、それはそれで別に問題は無さそうでした。
この作品は料理を作るシーンや食事場面がとても魅力的なので、ある意味ヒロインがいなくても上手く回っていきそうな気がします。
出てくる料理がどれも美味しそうで、普通のアンパンやジャムパンですら美味しそうに見えるほどでした。
次はどのような料理が出てくるのか、そちらの方が気になりますね。
勇者召喚に巻き込まれたムコーダさんが地球産の食材を購入できるスキルを駆使して料理を作り、フェンリルを従えて世界を放浪する物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:とんでもスキルで異世界放浪メシ 1 豚の生姜焼き×伝説の魔獣
- 著者:江口連
- イラスト:雅
- 初版発行:2016年11月25日
- 定価:1,320円(税込)
- 発行:オーバーラップ
- レーベル:オーバーラップノベルス
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
- とんでもスキルで異世界放浪メシ 2 羽根つき餃子×幻の竜 (オーバーラップノベルス)
- とんでもスキルで異世界放浪メシ 3 ビーフシチュー×未踏の迷宮 (オーバーラップノベルス)
- とんでもスキルで異世界放浪メシ 1 (ガルドコミックス)
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