【レビュー】サムライ転移~お侍さんは異世界でもあんまり変わらない~1【感想】

1.『あらすじ』

異世界を斬り進め!
全力で戦うことのできる相手がどこを探しても見当たらず、武者修行中の黒須は退屈していた。『どうか見たことも聞いたこともない難敵と巡り合わせて下さい』と、大して信じてもいない神仏に祈りを捧げるほど──。
そんなサムライは、いつの間にか異世界に迷い込んでいた。黒須は魔物に魔法、ダンジョンなど、未知の存在に心躍らせながら、己の武芸をぶつけていく。
これは、武士道を曲げずに異世界を斬り進むサムライの血気盛んな冒険譚!

引用:MFブックス

※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。

2-1.『レビュー』

 黒須元親クロスモトチカ二十七歳は、領地を持つ武家の三男である。

 黒須家の剣術の後継者として、これまで十年近くの間武者修行の旅をしてきた。

 しかしそれも強者を倒し続け黒鬼として周囲からは恐れられる存在になると、もはや敵は少なく退屈の日々が続く。

 なので黒須は切望した。

 どうか難敵と巡り会えるようにと。

 そしてその願いが叶ったのか、気が付けば黒須は見知らぬ森の中へと迷い込んでいた。

 まるで土地神のような巨大な蛇や、後にゴブリンと判明する餓鬼のような存在と遭遇する。

 そのことごとくを斬り伏せた黒須は、偶然出会った現地人の冒険者を助けたことで、ここが日本ではないことを知った。

 更に人間以外にもドワーフやハーフリング、獣人にエルフなど別の種族がいることに大変驚く。

 また魔物と呼ばれる人を襲う生き物がいることを知った黒須は、冒険者として活動をすることにした。

 同時に強者を求めて武者修行をしていた黒須にとって、魔物や上位冒険者という存在はとてもありがたいものである。

 こうして辺境都市アンギラにて、日本から転移してきた侍である黒須の新たな生活が始まった。

 道中助けた冒険者である荒野の守人もりびとに加わり、冒険者として日々依頼を熟していく。

 そしてダンジョンへと挑み仲間と打ち解けてきたころ、黒須に一通の手紙が届いた。

 どうやらそれは登録はしたものの、とある理由から足を運ばなかった傭兵ギルドからである。 

 新たな争いを予感させる手紙を見て、黒栖はいったいどのような判断を下すのであろうか。

2-2.『感想』

 この小説は異世界に転移した一人の侍が冒険者になり、魔物や強者を求めて戦いを繰り広げていくストーリーとなっています。

 主人公の黒栖さんは現代ではなく、まさに侍が生きる時代の人物でした。

 なので当然ゴブリンや冒険者などは知りません。

 最初に遭遇したゴブリンを人だと思い、つい話しかけてしまいます。

 しかし当然ゴブリンは魔物なので襲われるわけですが、黒栖さんにとってゴブリン数匹など相手にはなりませんでした。

 異世界転移や転生ものはよく読みますが、本物の侍が異世界転移する物語は初めてです。

 現代人だと相手を殺すことに少なからずの抵抗がありますが、侍である黒栖さんは躊躇ためらいません。

 武者修行中に様々な強者との激戦を繰り広げていたので、殺し殺されには慣れているようですね。

 ある意味現代人よりも、異世界に馴染みやすいかもしれません。

 そして黒栖さん自身も強者であり、魔物や上位冒険者に嬉々として戦いを挑みました。

 日本では敵がおらず退屈していたので、異世界に来てからは活き活きとしていますね。

 また黒栖さんは加入した冒険者パーティメンバーに戦闘の指南をするのですが、私自身読んでいてとても勉強になりました。

 これは黒栖さんの強さにも説得力が増しますね。

 チートを与えられていきなり最強とかではなく、長年の修練や地獄を潜り抜けた末の強さだとよく分かります。

 普通の異世界転移ものとは少し違う、強さを求めた一人の侍の生き様を描いた素晴らしい作品ですね。

 加えて次巻では大きな争いに黒栖さんが巻き込まれる予感がするので、そこでどのような戦いをするのか今からとても楽しみです。

 異世界に転移した侍が冒険者となり魔物や強者と戦っていく物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。

3.『今回のレビュー書籍』

書籍情報
  • タイトル:サムライ転移~お侍さんは異世界でもあんまり変わらない~1
  • 著者:四辻いそら
  • イラスト:天野英
  • 発売日:2023年2月24日
  • 定価:1,430円(本体1,300円+税)
  • 発行:KADOKAWA
  • レーベル:MFブックス

 よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。


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