1.『あらすじ』
主人公は高級マンション住まい、高身長、高学歴――でもヒロインは!?
「可愛い私めが炒飯作りに来たんですから、中に入れてください」
俺と同じ神戸市の国内有数の進学校に通う高校二年生で、さらには首席で特待生――桐原銭子の来訪に俺は迷惑していた。
だって深夜二時だよ。しかも俺は別に桐原と付き合っていない。
「私は藤堂君なら性的に無茶苦茶にされてしまっても構わないのですが」
いや、俺の両親の前でマジでいらんこと言うな。
「キスしましょうか。藤堂君。鳩のように情熱的なキスですよ」
「桐原銭子は一度受け取った以上は返品が利かないんですよ!」
知らんし。俺はお前の告白を断ったはずだよな。
好きな女の子からの好意を拒絶し続ける青春モラトリアムラブコメ開幕!引用:ファンタジア文庫
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
高級マンションの最上階に両親と住む主人公、藤堂破蜂。
そんな彼の元に、深夜二時にやって来る人物がいた。
『炒飯作りにきました』
そう言って現れたのは、同じ高校二年のクラスメイト、桐原銭小である。
桐原は小柄で身長140cmの美少女であり、学年一位の天才だった。
そんな美少女が、押し入るように入ってきて炒飯を作る。
普通に考えれば付き合っていそうだが、実際には付き合ってはいない。
むしろ藤堂は、告白を既に断っている。
だがそんな彼女を藤堂の両親、特に父親は気に入っていた。
深夜に自宅にいることが見つかっても、藤堂が無理やり連れてきたと思われてしまう。
まるで外堀を埋めるかのように、桐原と距離が近づいていく。
だがしかし、このような状況になってしまったのには、深い訳があった。
果たして告白を既に断った藤堂が、近くに桐原を置き続ける理由とはどのようなものだろうか。
2-2.『感想』
この小説は付き合っていない美少女が、深夜二時に炒飯を作りに来る話になっています。
タイトルにもなっている、この炒飯を作りに来るまでの経緯が少しずつ判明していく感じですね。
ヒロインの桐原ちゃんの計画的な歪んだ愛情や、藤堂君の様々な苦悩がよく分かります。
とても完成度が高く、ここ一年で読んだラブコメでは、五指に入るレベルで面白かったですね。
ギャグパートも良くできており、桐原ちゃんの『ヒャア!』が特に素晴らしいです。
最初はわざとらしく感じる『ヒャア!』も、途中から一種のコミュニケーション言語になっているのには笑いました。
あとは読んでいるとキャラクターがとてもイキイキとしており、どうすればこのように魅力的なキャラクターが生み出せるのかと気になるほどです。
桐原ちゃんが猫と決闘するシーンや、自身の取り扱説明書を用意するシーンも最高ですね。
他にもサブヒロインのべーちゃんや、雲丹亀ちゃんも可愛らしいです。
特にべ―ちゃんはキャラが濃く、目隠れ巨乳のドSであり、風紀委員だけれど一番風紀を乱しているような色気がある美少女という感じでした。
雲丹亀ちゃんも、後半では一気にキャラが立ちましたね。
まさか最後であのような結果になるとは、驚きです。
またこの作品は前半、中盤、後半で印象がどんどん変わっていきました。
最初はギャグ多めのラブコメでしたが、中盤ではシリアスになり、後半では歪んだ愛と伏線回収といった感じですね。
とてもレベルが高くよく作り込まれた完成度の高い作品なので、ラブコメ好きなら手に取ってほしい一冊です。
続きが非常に読みたいので、次の二巻がどうか出てほしいですね。
そういう訳で引き続き、この作品を読んでいこうと思います。
彼女ではない美少女が深夜二時に炒飯を作りに来るまでの理由が気になる方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:彼女でもない女の子が深夜二時に炒飯作りにくる話
- 著者:道造
- イラスト:びねつ
- 発売日:2023年11月17日
- 定価:792円(本体720円+税)
- 発行:KADOKAWA
- レーベル:ファンタジア文庫
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
【著者:道造の別作品】
- 貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 1 (オーバーラップ文庫)
- 貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 2 (オーバーラップ文庫)
- 貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 3 (オーバーラップ文庫)
コメントを残す