【レビュー】猿と人間【感想】

1.『あらすじ』

『シャトゥーン ヒグマの森』(『このミステリーがすごい!』(大賞・優秀賞受賞作)、

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(大宅壮一ノンフィクション賞&新潮ドキュメント賞受賞作)

の著者が描く、新たな恐怖と惨劇!

狂暴化した850頭の猿が襲いかかる!!

凶悪な人喰い猿の群れを前に、鴨猟にやってきた父子が立ち向かう術は――

戦慄の超パニック・サバイバル長編!

ジビエレストランを経営する父・誠一郎に連れられ、人里離れた集落に鴨猟にやってきた高校一年生の加藤英輔。

両親は離婚しており、母親は来月再婚する。離れて暮らしている父と、最後の親子水入らずの時間を過ごすなか、英輔は森に何か不穏な影を感じていた。

やがて忍び寄る猿! 猿!! 猿!!! ひときわ体の大きい、顔の黒い猿をボスとした百匹以上の群れは狂暴化し、二人に襲いかかり――!

引用:宝島 CHANNEL

※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。

2-1.『レビュー』

 英輔えいすけ誠一郎そういちろうは、トラックに乗りとある村までやってきた。

 その村は廃村間近であり、霜田しもだという老婆が一人住んでいるのみである。

 二人がこの村にやってきた理由は、猟をするためだ。

 父総一郎はジビエレストランをしており、使用する肉を調達しに来たのである。

 そのため、猟銃を持参している。

 高校生で息子の英輔は、それについてきた形だ。

 二人はテントを設置して、井戸から水をくむ。

 するとそのとき、英輔は草むらから何か生き物の気配を感じて恐れるが、総一郎に気のせいだと言われてしまう。

 ある程度キャンプ地が整うと、二人は村唯一の住民である老婆の宅へ挨拶に行き、そこで猿が大量にやってきていることを聞く。

 なんとその数は850頭ほどであり、黒猿というボス猿が率いているのだという。

 どうやら周辺から追いやられて、群れが集まった結果の数だった。

 またその猿を観察するために、大学の教授と学生たちがやってきているらしい。

 その後二人はやって来ているという大学の教授たちと挨拶を交わし、その日を終えた。

 翌日猟をして鴨を獲った二人は、帰り道で行にも見た鹿の亡骸を見つけるが、前にはなかった猿の足跡を大量に見つける。

 英輔はその時点では驚くだけにとどまったが、キャンプ地へと戻りシチューの準備をしている途中でそれは起こった。

 唐突に大量の猿が襲撃してきたのだ。

 総一郎が猟銃で対抗するが、次第に猿の数が増えていき、最終的には数十頭を容易に超えた。

 二人は何とか逃げ出し、空き家に立てこもる。

 だがその空き家にも、大量の猿が押し寄せてきて……?

 果たして、スマホの電波も届かないこの村で、生き残ることができるのだろうか? 

2-2.『感想』

 最初に思ったことは、猿怖ぇええ……。 というものでした。

 たまにニュースで、町に猿が現れたというのはよく聞きますよね。

 あれを見てある意味平和なニュースだと今までは思っていたのですが、この本を読んでその考えが変わりました。

 サルは人間と同じ体重の時、身体能力がおよそ人間の三倍だそうです。

 その猿を捕まえる方々は、まさに危険と隣り合わせで頑張っていたわけですね。

 もちろんこの小説はフィクションですが、それだけ衝撃が凄かったです。

 猿をもし見かけても、刺激せずにやり過ごすか逃げるかを選択するべきですね。

 遊び半分で近づくと、指とかを普通に噛み千切られるかもしれません。

 そんな猿が作中では850頭という群れで活動しており、群れを率いる黒猿は90キロの体重があるようです。

 先ほどの例に当てはめると、90×3=270になりますね。

 つまり、270キロ級の身体能力にもかかわらず、体格は猿なので人間とは違い俊敏という訳です。

 怖すぎですね。

 そして、作中で人間の味を知ってしまった猿たちが、向こうから襲い掛かってきます。

 猟銃があるとはいえ、圧倒的な数には敵いません。

 後半はいったいどうなってしまうのかと、ハラハラして読ませていただきました。

 限界集落で850頭の猿に襲撃されて必死に逃げながら抗い続ける物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。

3.『今回のレビュー書籍』

書籍情報
  • タイトル:猿と人間
  • 著者:増田俊也
  • 初版発行:2022年11月10日
  • 定価:1,650円(税込)
  • 発行:宝島社

 よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。

4.『関連書籍』

 

【著者:増田俊也の別作品】

  • 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
  • シャトゥーン―ヒグマの森1
  • 七帝柔道記 (角川文庫)
  • 北海タイムス物語(新潮文庫)

 


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