【レビュー】俺は星間国家の悪徳領主! 1【感想】

1.『あらすじ』

星間国家アルグランド帝国――その辺境惑星を治める伯爵家に生まれ、幼くして当主となった転生者リアム。彼は善良さ故に奪われ続けた前世の反省から、今度は奪う側である「悪徳領主」となって民を虐げようとするのだが――
「こんなの搾り取ろうにも、搾りかすも出ねーよ!!」
受け継いだ領地はこれ以上虐げようのない荒れ果てっぷりだった! 虐げても大丈夫なようにと、まずは領地を繁栄させていくリアム。それでもできるだけ悪徳領主らしく振る舞うのだが、何故か民からの好感度は上がりっぱなしで……!?
悪徳領主を目指してるのに名君と崇められちゃう勘違い領地経営譚、開幕!!

引用:オーバーラップ文庫

※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。

2-1.『レビュー』

 妻に裏切られた主人公の死の間際に、案内人という謎の男が現れる。

 案内人は主人公を転生させてくれると言う。

 その話に乗った主人公は、リアム・セラ・バンフィールドとして、星間国家の伯爵家に転生を果たした。

 これまで善良に生きてきた結果ひどい目に遭ったので、今度は悪役領主として面白おかしく暮らしていこうと誓う。

 そして転生させてくれた案内人に対してリアムは最大限の感謝をする。

 しかし、その案内人は他人の不幸を糧にしており、リアムの前世の出来事は案内人の仕業だった。

 更に、今世でもリアムを不幸のどん底に叩き落とそうとしている。

 そのことに気が付かないリアムは、転生後両親に爵位や領地などを譲渡され、メイドロボ天城を手にした。また両親は譲渡後にリアムの元を去っていく。

 これも案内人のおかげだと感謝したリアムだったが、伯爵家は多大な借金まみれであり、両親はそんな負債をリアムに押し付けた上で、仕送りをしてもらい首都星で面白おかしく暮らしていくというだけだった。

 悪役領主になって領民から搾取するにしても、既に残りカスとなっている現状にリアムは激怒する。

 そのためまずは搾取できるほどに回復させるため伯爵家を復興していくが、そこから周囲の勘違いが始まっていく。

 悪役領主のはずが、善良な素晴らしい領主として評価されてしまったのだ。

 その後は、機動騎士アヴィドを手に入れたり、剣の師匠安士との出会いや、宇宙海賊との激戦を繰り広げていく……といった内容になっています。

2-2.『感想』

 この作品は宇宙の国家を舞台にしたSFものになります。

 巨大な人型ロボットや宇宙戦艦などが登場し、その手のジャンルが好きであれば刺さる作品でしょう。

 また勘違いものにもなっていまして、主人公リアム本人は自分が悪役領主だと思っているのですが、周囲からは名君だと思われています。

 その勘違いの結果が面白く、殺伐とした世界観が一変しますね。

 剣の師匠である安士も実は案内人が導いた詐欺師であり、本来習得できるはずのない滅茶苦茶な剣技をリアムに教えますが、何故かリアムは習得してしまいます。

 手に入れた機動騎士アヴィドの操作も、本来ならば困難極まりないですが、リアムはそれも乗りこなします。

 俺TUEE状態ですが、主人公リアムの人柄や周囲の勘違いなどが上手く絡み合った結果、読んでいて全く不快に思いませんでした。

 むしろ、とても好感を持てます。

 作品のバランスが素晴らしい結果ですね。

 どんどん作品に引き込まれて、読み終わったころには次の巻をすぐに読みたい! という気持ちになりました。

 領地経営勘違い巨大ロボ戦記のSFというジャンルに興味がある方は、是非購入を検討してみてください。

 個人的にはアニメ化して欲しい作品です。

3.『今回のレビュー書籍』

書籍情報
  • タイトル:俺は星間国家の悪徳領主! 1
  • 著者:三嶋与夢
  • イラスト:高峰ナダレ
  • 初版発行: 2020年7月25日
  • 定価: 759円(税込)
  • 発行:オーバーラップ
  • レーベル:オーバーラップ文庫

 よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。

4.『関連書籍』

【著者:三嶋与夢の別作品】

  • 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です
  • セブンス


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