1.『あらすじ』
科学よ、これがファンタジー(理不尽)だ!
戦艦を作りたいのに、鉄が足りない!
気がつくと、SFゲームの拠点要塞ごと転生していた。しかも、ゲームで使っていた女性アバターの姿で。
周囲は見渡す限りの大海原、鉄がない、燃料がない、エネルギーもない、なにもない! いくらSF技術があっても、資源がなければ何も作れない。
だというのに、先住民は魔法なんてよく分からない技術を使っているし、科学の”か”の字も見当たらない。それに何より、栄養補給は点滴じゃなく、食事でしたい!
これは超性能なのに甘えん坊な統括AIと共に、TS少女がファンタジー世界を生き抜く物語。引用:ファミ通文庫
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
VRMMO『ワールド・オブ・スペース』をプレイしていた主人公は、ある日異世界に転移してしまう。
しかもゲームの初期要塞『ザ・ツリー』ごとである。
加えてリアルでは男であったが、狐耳と尻尾を生やしたゲーム内のアバター、キツネスキーという少女の姿だった。
後に名前をキツネスキーではなく、イブと自称する主人公。
また要塞には統括AIリンゴが存在しており、ゲームでの制限が解除されたのか性能が向上していた。
イブはリンゴと共に食料や資源などが足りない中、周囲の僅かな資源からやり繰りしていく。
なお要塞の周囲は大海原であり、陸地は全くなかった。
そうして地道に技術ツリーを開発しながら、打ち上げた偵察機が大陸を発見する。
イブはリンゴが操作する人型機械を活用して、貿易を行うことにした。
貿易船にパライゾと名付け、人が住む港町へと向かう。
そして要塞で作り出した物品と、欲しかった鉄を交換するのであった。
こうして侵略を実施している海洋国家や、内戦で機能を失っている国など問題の絶えない異世界で、イブはゲームのSF技術で着実に勢力を拡大していく。
しかしゲームには無かった魔法や、大型生物が生息しているので安心はできない。
自身の遺伝子からアンドロイドを作り出し、人数も増やしていくのであった。
果たしてイブたちは、このファンタジー世界にどのような影響を与えていくのであろうか。
2-2.『感想』
SFゲームの要塞ごと異世界に転移してしまったキツネスキーちゃん、改めイブちゃん。
大海原にポツンと転移してしまったので、周囲には何もありません。
加えて資源や食料もなく、まさに自身も要塞も腹ペコ状態という訳ですね。
統括AIのリンゴちゃんと共に、少しずつ状況を整えていきます。
そして何とか貿易船と、リンゴちゃんが操作する人型機械を作り出しました。
偵察の結果遥か北に大陸を見つけ、そこの港町と貿易を行います。
資源が乏しくても、イブちゃん達と港町の技術的な差は天と地でした。
なので要塞で作り出した物品が、大いに喜ばれます。
そして最も欲しかった鉄を手に入れて、戦艦なども作っていく感じですね。
今巻は下地作りという感じでして、次巻からはより本格的に異世界と関わっていくようでした。
他の国の技術より百年先を行く侵略海洋国家や、港町が所属する内戦でボロボロの国などが登場しています。
これらの国と争いに発展していくのか、それとも友好的な関係を結ぶのかとても気になりますね。
またイブちゃんの遺伝子から作ったアンドロイドたちも、それぞれ個性が生まれていて可愛いです。
統括AIのリンゴちゃんも体を手に入れて、イブちゃんに甘える姿が良いですね。
他にもファンタジー世界なので魔法があり、謎の大型生物も存在しているみたいです。
SFとファンタジーがぶつかるわけですが、現状はSFに分があるようでした。
いずれ手に負えないような存在が出てくる可能性もあるので、少々心配ですね。
けれどもそれまでにイブちゃん達も技術ツリーを進めると思うので、問題はないでしょう。
それよりもまずは、目下の北大陸ですね。
そういう訳で引き続き、この作品を読んでいこうと思います。
SFゲームの要塞ごとファンタジー世界に転移したTSケモミミ主人公が資源を求めて貿易をする展開に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:腹ペコ要塞は異世界で大戦艦が作りたい World of Sandbox
- 著者:てんてんこ
- イラスト:葉賀ユイ
- 発売日:2023年5月30日
- 定価:1,430円(本体1,300円+税)
- 発行:KADOKAWA
- レーベル:エンターブレイン
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
- 腹ペコ要塞は異世界で大戦艦が作りたい2 World of Sandbox
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