【レビュー】未実装のラスボス達が仲間になりました。1【感想】

1.『あらすじ』

スキル《ダンジョン生成》で得たのは、レベルカンストした6人の魔王!?
新型VRMMO《eternity》の第2陣テスターとして選ばれた修太郎。ランダムスキルで《ダンジョン生成》を得た彼は、さっそくスキルを発動するも――時同じく、mother AIの暴走によりプレイヤー達はゲーム内に閉じ込められ、ゲームの死=現実の死、となるデスゲーム世界になってしまった。そしてデスゲーム開始と同時にスキルを発動した修太郎は、座標バグにより実装予定の最終エリア《ロス・マオラ城》にいた。そこにいたのは、世界を統べる予定だった6人の魔王。スキルによって魔王並みに強いスライムを誕生させたり、モンスターたちの城下町を楽しく発展させたりする修太郎に、6人の魔王たちは徐々に惹かれていく。そうして魔王たちの加護を得た修太郎は、当初の目的である冒険を始めようと始まりの街に戻るのだけれど――。魔王たちと楽しくデスゲーム世界を切り拓く、ひとりの少年の成長冒険譚開幕!

引用:KADOKAWA

※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。

2-1.『レビュー』

 最先端技術によって作られた国内産のVRMMORPG、”eternityエタニティ”。

 その最新ゲームを運よく手に入れた修太郎は、35万人いるプレイヤーの1人としてゲームを開始した。

 このeternityエタニティにはすべてのシステムを司るAI”motherマザー”が存在しており、プレイヤーはランダムに固有スキルを与えられる。

 修太郎が獲得した固有スキルは、ダンジョン生成というスキルだった。

 そしてゲームを開始して早々、修太郎はダンジョン生成を実際に発動してみる。

 しかし同時に偶然にもmotherマザーが暴走してしまい、ゲームからのログアウトが不可能になってしまう。

 その一瞬の出来事に寸分の狂いもなくダンジョン生成を発動させたことで座標が狂い、修太郎はとある場所にダンジョンを作ってしまった。

 更にそこにいた全ての存在が配下に加わっており、配下の中には6人もの魔王がいる。

 魔王のレベルは全員120であり、修太郎はゲーム終盤エリアに現れる魔王たちという規格外の戦力を手にしてしまうのであった。

 変わって最初の拠点である大都市アリストラスでは、プレイヤーたちが大混乱におちいる。

 motherマザーによってログアウトが不可能になり、本来ゲーム内では無効になっているはずの痛覚まで現れたからだ。

 加えて何よりも問題なのは蘇生が不可能になった事により、一度死んでしまえば文字通り蘇ることができない。

 つまりこの世界が死んだらお終いのデスゲームへと、変貌へんぼうしていることを意味している。

 だがそんな世界でも絶望せずに、周囲をまとめていく青年がいた。

 それは紋章もんしょうのギルドを率いているワタルである。

 ワタルとギルドメンバーの活躍により、混乱は次第に落ち着いて少しずつ生存へと向けて動き出す。

 しかし中にはデスゲームになったことに歓喜を覚え、進んでプレイヤーをキルする者が現れる。

 また侵攻と呼ばれるmobモンスターの大群が集まる問題も発生し始めた。

 果たしてデスゲームとなってしまった世界で、プレイヤーたちは生き残ることができるのであろうか。

2-2.『感想』

 この小説はデスゲームに巻き込まれたプレイヤーたちが、生き残るために足掻き続けるストーリーになっています。

 また主人公が複数人おり、群像劇となっているようですね。

 ですがそんな主人公たちの中でも、ある意味一際目立つ特別な存在がいます。

 それはダンジョン生成によって、強力な魔王たちを配下に加えた修太郎君のことですね。

 個人的に主人公としての割合は修太郎君が5・紋章のギルドマスターであるワタルさんが2・非力な一般プレイヤーの少女ミサキちゃんが3といった感じでしょうか。

 それぞれの視点で物語が進むので、このデスゲーム内でどのようなことが起きているのか、とても分かりやすいです。

 最初は修太郎君が魔王たちを引き連れて無双する物語かと思いましたが、少し違うみたいですね。

 ちゃんと他のプレイヤーたちにも見せ場があり、弱いなりに頑張る彼らには共感が持てます。

 またPKプレイヤーキルと呼ばれる悪人が登場して、デスゲームでもプレイスタイルを変えずにプレイヤーを殺害し始めました。

 更にPKには安全地帯にいるプレイヤーをまとめて始末する手段を考えているようでして、いきなりプレイヤーたちは全滅の危機に瀕します。

 ですがそこで主人公である三人の運命が交差して、この危機に立ち向かう感じですね。

 また登場する魔王たちも個性豊かでして、特に序列第二位の真っ白い少女であるバンピーちゃんがお気に入りです。

 今後どのように主人公たちが関わり、デスゲームを攻略していくのか実に楽しみですね。

 デスゲームに巻き込まれたプレイヤーたちが織り成す群像劇に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。

3.『今回のレビュー書籍』

書籍情報
  • タイトル:未実装のラスボス達が仲間になりました。
  • 著者:ながワサビ64
  • イラスト:かわく
  • 発売日:2020年11月30日
  • 定価:1,320円(本体1,200円+税)
  • 発行:KADOKAWA
  • レーベル:エンターブレイン

よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。

4.『関連書籍』

  • 未実装のラスボス達が仲間になりました。2
  • 未実装のラスボス達が仲間になりました。3
  • 未実装のラスボス達が仲間になりました。 1 (電撃コミックスNEXT)

【著者:ながワサビ64の別作品】

  • Frontier World ―召喚士として活動中― (ファミ通文庫)
  • 風使いの成り上がり (マッグガーデン・ノベルズ)

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