1.『あらすじ』
金にモノを言わせた商人の非人道的 魔王討伐が始まるーー‼︎
Sランク冒険パーティーの一員でありながら、不人気職“商人”のトラオ。
戦力として微妙な上に、金の使い込みがバレて「おまえはクビだ!」とパーティーを追放されてしまう。仕方なく金の使い込み先だった女子達と組んで魔王討伐を目指すトラオだが、その初仕事はなんと全滅した旧パーティーの遺体から装備を回収するというもので……⁉︎
「関係ないよ。もう仲間でも何でもないないんだから」。
「ずっと仲間だと思っていた」と言われても、今さら遅い――。大ヒットシリーズ『誰が勇者を殺したか』の著者が仕掛ける
テンプレからの逸脱と裏切りの物語。引用:PASH! BOOKS
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
Sランクパーティ”ブルーリング”に所属する商人、トラオ。
ある日リーダーのライネルに、クビを言い渡される。
元々トラオは商人で魔法が使えず、前衛としても本職には及ばない。
また金に汚く、パーティの装備は常に中古を使わせていた。
熟練のおっさん神官が着ていた臭い神官服や、墓地に埋葬されていた大賢者の盗品ローブを、仲間の女性達に使わせていたのである。
加えて女性だけのパーティ”ガーネット”に、お金を横流しして囲っていた。
そして何よりも魔王討伐隊に参加することを反対していたことから、追放されてしまう。
こうして一人になったトラオは、面倒を見ていた女性だけのパーティ、ガーネットに身を寄せる。
またその後魔王討伐のために潜入するブルーリングと、他のSランクパーティの後をつけ始めた。
結果として全滅したブルーリングやSランクパーティの亡骸から、装備を剥ぎ取るトラオ。
それを売った資金を元に、魔王軍に気分を高揚させる依存性の高いポーションを売り始める。
次第に資金が国家予算並みに増えたことで、トラオは伝説の装備を金の力で手に入れるために動き出す。
そうしてトラオは、金の力と巧みな話術を使って打倒魔王を目指すのであった。
果たしてトラオは、無事に魔王と四天王たちを倒すことができるのであろうか。
2-2.『感想』
この小説はパーティを追放された商人のトラオさんが、金の力で魔王を倒す物語です。
金の使い方に問題があったことで、パーティを追放されたトラオさん。
面倒を見てた女性だけのパーティガーネットに移籍して、打倒魔王を目指します。
そのために資金を集めるのですが、どれも倫理的に問題があるものが多い感じですね。
元の仲間の亡骸から装備を剥ぎ取ったり、魔族に麻薬のようなポーションを売りさばきます。
魔族はそのポーション欲しさに、人間から金を奪い始めました。
魔王軍に侵攻されている国も金をバラまけば助かることを知って、どんどん金銭を消費していきます。
その金銭が、トラオさんの元に集まっていきました。
最終的に、国家予算並みの資金を手に入れます。
そこからトラオさんは伝説の剣・盾・鎧を入手するために、動き出す感じですね。
ちなみに一つではなく、各種百ずつ集めます。
金の力で国や神を唆して、無事に装備をそろえました。
そして勇者軍を結成して、数の暴力で魔王を倒します。
ここまで聞くとトラオさんがヤバいやつで、追放されたのにも納得ですよね。(^-^;
しかしこの作品の見どころは、冒険が終わった後でした。
ブルーリングの面々がどうしてトラオさんを追放したのか、本当の理由が分かります。
またトラオさんがこうした手段に出た理由も、理解できました。
よくある追放もののツッコミどころを、全て無くした感じですね。
作者もあとがきでその部分に言及しており、その疑問を解消した作品に仕上げたようです。
読んでいてとても完成度が高く、この作品の良さは実際に読まないと分からない気がしますね。
加えて追放もの書き方についても、勉強にもなりました。
ちなみにこの一冊で内容が完結しており、続きは無い感じですね。
追放ものをよく読んだり、また書こうと思っている方は、一度読んでみることをおススメします。
追放された商人が金の力で魔王を倒すことを目指す物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:追放された商人は金の力で世界を救う
- 著者:駄犬
- イラスト:叶世べんち
- 発売日:2024年3月1日
- 定価:800円 +税
- 発行:主婦と生活社
- レーベル:PASH!文庫
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
【著者:駄犬の別作品】
- モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件 (GCN文庫)
- 誰が勇者を殺したか (角川スニーカー文庫)
- 死霊魔術の容疑者 (GCノベルズ)
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