004

 糸目の男の鍛冶屋に向かう道中、エフィンは見た目平然を装っていたが、内心ではかなり焦っていた。 何故ならば、この錬金鍛冶術というユニーク級スキルを見せることによって、利用されたり、はたまた奴隷として売られるかもしれないからであり、その場合エ…

003

 大男に路地裏へと連れてこられたエフィンは、早速手に持っていた袋を奪われる。「っち、やっぱりゴミしか入っていねえか」 大男は中身を確認するとそう言って、エフィンがせっかく集めた物ごと、その袋を適当な場所へ投げ捨てた。「あぁ!」 エフィンはそ…

002

次の日、エフィンはどうしたらこのスラム街の生活から抜け出せるかを考えていた。 そこでまず思い浮かぶのがウェストピッカーの効果でスキルを多く取得して強くなることで、エフィンはどうしたらスキルを多く手に入れられるか考える。 まず前提条件として、…

001

 この世界ではスキルというものがあり、どれも便利なものが多く、それを駆使してこの世界の住人たちは戦士や、魔法使と名乗れるようになる。 だがしかし、そんな万能なスキルであるが、1つだけ欠点があった。 それは、どの生物であろうと、所持できるスキ…

第4話

「よし、撮った」俺は今、廊下にいた妹を図鑑のカメラ機能で撮ったところだった。そして妹を無事撮ることに成功すると、俺は空き教室に戻る。どうだ? 図鑑に載ってるか? 誰も周りにいないことを確認すると、妹図鑑の図鑑機能を使い、撮った妹がちゃんと反…

第3話

「「「「「……」」」」」 どうしたんだ……正解なのか? それとも不正解なのか? 俺が答えた回答に、妹たちは沈黙する。 あと2回チャンスがあるとはいえ、それが俺をより不安にさせた。「……おにいちゃん。本当にケリーちゃんでいいの?」「え?」「も…

第2話

 よし、必要な物はこんなものだろう。 俺は教室を出る前に、使えそうなものをある程度集めていた。 まず、クラスメイトの使っていた黒のリュックサックに、文房具やノート、飲み物やお菓子、それと必要なりそうなものなどを詰め込んで、あとは武器を持てば…

第1話

「お゛に゛い゛じゃんどごぉおお!!」「……っ!」 その声が俺の隠れている教室の掃除用具入れの前から聞こえてくると、次第にそれは遠くへと去って行く。 よし、行ったか。 その声が遠ざかったことにより、俺の呼吸は少しづつ落ち着いていく。 外から聞…

008

 あの化け物、昏き闇の追放者を倒したことにより、俺が発動している守護領域内に現れた銀色の宝箱を見て、俺は一瞬罠があるのではないかと勘ぐってしまう。しかし、そこまで意地が悪くないだろうと自分に言い聞かせる。開けない方が損をするだろうと、そう思…

007

 抑えられない戦闘欲に、脳内麻薬が分泌されて俺のテンションは最高潮へと達した。その瞬間、異形の化け物に対し、俺は無謀にも突撃する。 「怖い 苦しい やめて 助けて 痛い 誰か お父さん 来ないで 助けて」  異形の化け物…

006

街は倒壊した建物や瓦礫が散乱していた。雰囲気的に現代よりも古い建物が多く、また日本でないどこかの外国のような街並みだった。この物静かな場所に、モンスターなどいるのかと勘ぐってしまいそうになる。  いや、どこかに必ずいるはずだ。終了…

005

 視界が戻ると、そこはイスやテーブルの並んだシンプルな部屋だった。よく見れば、コンロや水道もあり、他にも近くのドアにはトイレと思わしきマークもある。俺が最初にいたあの保健室のような場所と比べても、十分生活感があった。  もうここを…