小説

019 深夜の目覚め

 深夜になり、目覚まし時計の音で俺は目を覚ます。 一度寝ている時に鬱実がやってきたこともあり、警戒して周囲を見渡した。 まあ、流石に二度目はないか。 俺はあくびをして体を伸ばすと、着替えて部屋をでる。 ちなみに寝巻はいつも使っているものと同…

018 長かった一日の終わり

「はぁ……」 今日は、人生で一番濃い一日だった。 俺は現在、数人が入れそうな大きな風呂に入っている。 もちろん、俺一人だけだ。 入浴の順番は鬱実、夢香ちゃん、瑠理香ちゃん、俺になっている。 入浴までにひと悶着あったが、そのことは忘れよう。 …

017 これからの問題

 あの少女たちの正体がシスターモンスターという事実を知った俺たちは、改めて今後の方針を話し合うことにした。 場所は変わらず、メインルームにあるソファーだ。 俺の横には前回鬱実がいたが、今回は瑠理香ちゃんが座っている。 正面は夢香ちゃんであり…

016 少女たちの正体

 『一万円!? 氷帝様の便女お姉ちゃん? ありがとー!』 鬱実が投げ銭した一万円に、スターちゃんが目の色を変えて喜ぶ。 そして、それを見た視聴者からも反応があった。『氷帝様の便女www』『俺も氷帝様の便所になりたいw』『どうせ便女とかいいつ…

015 スターちゃん

 ゼニスケは、スターちゃんと名乗る少女へと変わってしまった。 更に生放送を続けながら、画面に向けて手を振っている。 画面の端には、スターちゃんに興味がないのかのように、先ほどの女性が離れていくのが映っていた。『今日はちょうど手に持っているコ…

014 新たな情報

 そういえば今更ながら、瑠理香ちゃんが何故音楽準備室にいたのか、とても気になった。 秘密基地の案内が終わり、丁度いいこともあって俺は瑠理香ちゃんに理由を聞いてみる。「えっと、音楽で使うリコーダーが何故か無くなっていて、学校のリコーダーを借り…

013 秘密基地を探検

 少し遅い昼食を終えた俺たちは、今後の方針を決める前にこの秘密基地内を鬱実に案内してもらうことにした。 というのも、ここに来てから俺はこの秘密基地内が気になって仕方がない。「ふふ、凛也君にあたしのすべて、見せてあげるね」「ああ、秘密基地内の…

012 姉妹の再開

 住宅エリアはその後何事もなく、裏山まで俺たちはやってくる。 そのころには瑠理香ちゃんも少しずつ歩けるようになり、ようやく背から降りた。 いや、鬱実がうるさいので、結果として降りてもらうしかなかったのだが。「お姉ちゃん!」「瑠理香!」 そし…

011 帰りの道中

 団地エリアを無事に抜けると、公園エリアにやってくる。 行きの時は、公園に先ほどの女生と同じタイプの存在がベンチに座っていた。 しかし今はその女性すらいなくなり、とても閑散としている。 そういえば、漢田さんたちがこっちの方から来たことを俺は…

010 団地エリア

 来る時は、団地の裏にある茂みの中を隠れて通ってきた。 だが今は背中に瑠理香ちゃんがいる。 当然、茂みの中を移動することは不可能だ。「瑠理香ちゃん、そろそろ歩けそうか?」「す、すみません。まだ無理そうです」 瑠理香ちゃんはそう言って申し訳な…

009 絶体絶命のピンチ

「みんな~この不審者さんはロリ―ちゃんが最初に見つけたんだから、勝手に手を出しちゃだめだよ~?」 自分のことをロリ―ちゃんと言う少女は、ニヤニヤ笑みを浮かべながら俺を指さす。「え~ずるいよ~」「おうぼーだー!」「あたしもお兄ちゃんとあそびた…

008 瑠理香ちゃん救出

 そろそろ時間か。 茂みに隠れること15分。俺は団地エリアから中学校に向かい始める。 周囲に人影はない。 遠くには人影が見えるが、距離があるので大丈夫だろう。 よし、行くぞ。 俺は軽く息を吐くと、茂みから出て公道を進んでいく。 そして団地エ…