1.『あらすじ』
「物書きとして、稼ぎ、生きていく」ための教科書。書く仕事とはどんな仕事で、どんな生活を送ることになるのか? 書く仕事がしたければ、どのような準備をして、どんなふうにデビューするのか? “必要最低限”の文章力とスキルとは? どれくらい働けば、どれくらい稼げるのか? 「書くこと以上に大切な、書く仕事のリアル」について、すべてを1冊に。
あるようでなかった「物書きとして、稼ぎ、生きていく」ための教科書
【書いて生きるには、文章力“以外”の技術が8割】
「仕事の取り方から、お金の話まで、すべてシェアします」
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
この本では、文章術の伝授というよりも、ライターとしてどう生きて行くかという内容になっている。
なので当小説サイトのように小説などを主に書いている人には、関係が無いと思われるかもしれない。
しかし、同じ書く仕事である以上、参考にできる部分は確かにある。
例えば、編集者とのやり取りや、SNSなどでディスられた時の心構えなど、小説家を目指すのであれば覚えておいて損はないだろう。
またこの本では執筆者に凄い文章力は必要なく、そこそこの文章力があれば問題ないと書かれていた。
だがそれでもそこそこは必要であり、分かりやすい文章を書くには、以下の方法が有効とのことだ。
・一文を短くする。
・前後の因果関係をはっきりさせて書く。
確かに読んでいて、なるほど思った。
小説でも文章が長いと読みにくいし、また文章の前後の繋がりが明確だと分かりやすくなる。
詳しい内容は、本書で確かめてみることを是非おススメする。
2-2.『感想』
この本はライターになって稼ぐにはどうすればいいかなど、ライターには目から鱗の内容になっています。
ですが、普段小説などを書いている私でも十分学べるところが多く、また楽しく読むことができました。
ライターは文字を書いて稼ぐことも大事ですが、企画などを作って提出するのも必要なようですね。
インタビュー時のやり方で、時系列に沿って聞き出す『徹〇式』と、一つの事柄を深く掘り下げて聞く『タ〇リ式』。
ネーミングはユニークですが、確かに実用的でした。
他にも特に勉強になったのは、『犯人しか知らない証拠を聞き出す』でしょうか。
これは例えでして、実際に体験した人にしか分からないことを指しているようです。
音や匂い、手触りなど五感に関することを聞いて書くことにより、文章の臨場感などが増すとのことでした。
聞けば当然だと思われるかもしれませんが、私は小説を書いている時に、この部分が意識出来てなかったなと感じています。
例.1
迫りくる野盗を、主人公は抜いた刀で即座に斬り倒した。
例.2
迫りくる野盗の雄たけびを聞いた主人公は、抜いた刀で即座に斬り倒す。人を斬り裂いた感触と血の臭いに、不快な感情が湧き上がった。
ものすごく極端ですが、例.1よりも、例.2の方が臨場感があると思います。
書いた小説を読んでいて、何か薄っぺらいな? と感じたら、こうした部分が不足している可能性もありますね。
もちろん余りにも多用しすぎると、文章がどこかくどくなるかもしれないので、注意が必要です。
本書には一文を短くすることも大事だと書かれていたので、要はメリハリですね。
書く仕事に興味がある方や、ライター志望の方にはお勧めの一冊ですので、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:書く仕事がしたい
- 著者:佐藤友美
- 初版発行:2021.10発行
- 定価:定価1650円(本体1500円)
- 発行:CCCメディアハウス
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
【著者:佐藤友美の別作品】
- 髪のこと、これで、ぜんぶ。
- 女は、髪と、生きていく
- 女の運命は髪で変わる
- 道を継ぐ
コメントを残す