1.『あらすじ』
ベル・クラネルに根差す英雄譚「アルゴノゥト」が書籍化!
綴られるのは、一人の男の軌跡。
人に騙され、王に利用され、多くの者達の思惑に振り回される、滑稽な物語。
友の知恵を借り、精霊から武器を授かって、なし崩し的にお姫様を助け出してしまうような、とびっきりの『喜劇』。
道化が自由に踊り、自由に謳う、とっておきの茶番。
愚物から愚者へ。
愚者から世界へ。
世界から未来へ。
正義が巡るように、神話もまた巡る。
「神々よ、ご照覧あれ! 私が始まりの英雄だ!!」
だから、そう――これは道化の『英雄譚』に違いないの。引用:SB Creative
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
気を失っていたアルゴノゥトが目を覚ますと、そこには一人の人物がいた。
名前をクロッゾといい、鍛冶士のようである。
またオルナも一緒であり、クロッゾにこれまで経緯を話していく。
そしてこれからどうするかということになり、アルゴノゥトたちは精霊の祠を目指すことにした。
理由は精霊から力を借りて、アリアドネを救うためである。
そうして結果的に祠の奥に辿り着いたアルゴノゥトたちは、精霊と出会う。
だがそうしている間にも追手が迫り、アルゴノゥトたちは命を狙われる。
また妹のフィーナが、王都で処刑されることを知ってしまう。
当然フィーナを助けるために、アルゴノゥトたちは王都へと向かった。
そこでアルゴノゥトは、持ち前のトーク術で状況を一変させていく。
果たしてアルゴノゥトは、フィーナとアリアドネを救うことができるのであろうか。
そして悲劇を喜劇に変えて、ミノタウロスを倒すことができるのであろうか。
2-2.『感想』
今巻は英雄譚の後章となっていまして、アルゴノゥト君が悲劇を喜劇に変えていくストーリーになっています。
新たな仲間であるクロッゾさんを加えて、アルゴノゥト君たちは精霊の祠を目指しました。
その後王都へと戻り、処刑されそうなフィーナちゃんと、生贄にされそうなアリアドネちゃんを助ける感じですね。
正に今巻でアルゴノゥト君は、英雄に相応しい奇跡を起こしていきます。
けれども愚者なのは相変わらずで、悲劇を喜劇に変えていきました。
特にフィーナちゃんが処刑されそうなシーンでは、アルゴノゥト君が全てをひっくり返します。
全く血を流さずに解決する姿には、惚れ惚れしました。
息の詰まるような緊張する場面が、喜劇へと変貌します。
またアルゴノゥト君の葛藤や、隠された過去も知ることができました。
アルゴノゥト君は隠していましたが、やはり普通の血筋ではありませんでしたね。
そしてミノタウロス戦からエピローグにかけて、とても感動しました。
加えて虚しさや悲しさ。寂しさを感じますね。
ダンまちを知らなくても、読んで損の無い物語です。
上下巻できれいにまとまっており、英雄譚としてはトップクラスに面白かったです。
この物語を読んだことで、ダンまちで登場する”アルゴノゥト”という言葉への意識が変わりました。
ダンまちファンであれば、是非読んで頂きたいです。
後はクロッゾの一族がなぜ、魔剣を打てるのかという謎が解明されました。
こうしたルーツがあったのですね。
ちなみにアルゴノゥト君とベル君の関係については、分かりませんでした。
あえて、分からないようにしたのかもしれません。
ベル君がアルゴノゥト君の子孫なのかは、不明ですね。
しかし、可能性はありそうな気がしました。
いずれどこかで、それが判明すると嬉しいです。
そして、アルゴノゥト君が始まりの英雄と呼ばれる意味も分かりました。
最後につづられる謳は、何度も読み返してしまいます。
何度も言いますが、とても面白い素晴らしい作品でした。
次はダンまち本編が発売されるので、そちらも楽しみです。
心に残る英雄譚をありがとうございました。
王都で処刑される妹を助け出して生贄にされそうなアリアドネちゃんを救う英雄譚に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:アルゴノゥト後章 英雄運命 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚
- 著者:大森藤ノ
- イラスト:かかげ
- 発売日:2023年8月31日(木)
- 定価:定価:770円(本体700円+10%税)
- 発行:SBクリエイティブ
- レーベル:GA文庫
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
4.『関連書籍』
- アルゴノゥト前章 道化行進 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚 (GA文庫)
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア (GA文庫)
- アストレア・レコード1 邪悪胎動 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚 (GA文庫)
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