1.『あらすじ』
もう【かませ犬】とは呼ばせないーー俺の考える、最強の悪役を見せてやる。
ルーン文字による魔法を駆使して広大な世界を冒険する異世界ファンタジーRPG【ルーンファンタジー】。
その世界に、主人公キャラ・シロウと瓜二つの容姿と魔法を使う敵キャラ『クロウ』に転生してしまった俺。このクロウは恵まれたポジションのくせに、ストーリーの都合で主人公のかませ犬にしかならないなんとも残念な敵キャラとして有名だった。
俺はプレイ中ずっと、彼にもっと活躍してほしかった。そう、主人公の行く先々に、圧倒的な実力で立ちはだかる最強のダークヒーローとして……。ーーなら、やることは一つ。
転生した俺には、ストーリーのお約束も主人公を活躍させろなんて商業展開の都合も知ったことじゃない。
理想のダークヒーロー像をこのクロウの身体で好き勝手に体現して、最強にカッコいい悪役になってやろうじゃないか! (……でも、妙に色んなキャラに認められて、評価が上がり過ぎてないか?)
最強の「かませ犬」転生ファンタジーの1ページ、【覇王の教義(ダークヒーローズ・ドグマ)】を、いまここに紡ぐ!引用:電撃文庫
※これより下の文章にはネタバレが含まれるので注意してください。
2-1.『レビュー』
ルーンファンタジーⅣをクリアした男は、クロウというゲームの主人公と瓜二つのキャラクターに怒りを露わにする。
同じ能力、同じ顔なのにもかかわらず、中盤で退場する噛ませ犬だったからだ。
理想のダークヒーローとかけ離れたそれに、男は失望した。
ただそれで、本来は終わるはずなのである。
しかしどういう訳か、気が付けば男はクロウになっていた。
そう、ルーンファンタジーの嚙ませ犬に転生していたのである。
男はクロウになると噛ませ犬ではなく、自分こそが理想の悪役になることを決めた。
なので赤子の内から、ゲームの主人公とその父親しか使えないルーン魔法を鍛え始める。
また前世の記憶から漢字を使った文字魔法を生み出し、ルーン魔法を超える力を手にした。
そして成長していく最中、ササリスというゲームのナンバリング皆勤賞の美少女を助ける。
加えて気が付けばササリスの手により、街を影から牛耳る存在になっていた。
だがそれが影響したのか、初代ラスボスと出会うことになってしまう。
そして後半では、ササリスを連れて旅に出ることになる。
更にゲームの物語もとうとう始まり、ゲームの主人公とも顔を合わせるのであった。
果たしてクロウは、理想の悪役になることができるのであろうか。
2-2.『感想』
この小説はルーンファンタジーというゲームの嚙ませ犬に転生したクロウ君が、理想の悪役になるために頑張る物語です。
意味ありげに登場しておきながら噛ませ犬になったクロウ君に、男は落胆していました。
しかしそのクロウ君に、気が付けば転生していた感じですね。
ゲームのシナリオが分かっているので、自分が理想の悪役になるために力を蓄えます。
またクロウ君はルーン魔法という、ルーン文字を空中に書くことで効果を発揮する魔法を使えました。
これはゲームの主人公シロウ君と、その父親しか使えません。
容姿も似ていて使えるということは、つまりクロウ君にも血縁関係があった訳ですね。
しかしゲームでは、それが語られなかったみたいです。
いろいろ伏線がありそうなのに、呆気なく退場したことに対して、クロウ君に転生した男は憤っていたみたいですね。
ちなみに空中に文字を書くことから派生して、漢字を使った文字魔法を開発します。
文字魔法と聞くと、古き良きなろうの某有名作品を思い出しますね。
話が少し脱線いたしました。(^-^;
そうして、クロウ君は将来のために鍛え続けます。
ですが様々な偶然から、歴代ナンバリングタイトルに皆勤賞のササリスちゃんを助けてしまいました。
ササリスちゃんは、クロウ君に惚れて恩義も感じています。
なのでクロウ君に着いて行く感じですね。
しかしササリスちゃんはクロウ君の野望を知らないので、空気を読まずに悪役ムーブ中に干渉していきます。
これが良い感じに、コメディになっていました。
個人的には、結構好きです。
また今巻は転生から力を蓄えて、ゲーム開始の序盤までといった感じですね。
ゲームの主人公である、シロウ君の前に初めて立ちふさがるまでとなります。
なので次巻から、本格的に始まるという雰囲気でした。
初代ラスボスも何かと悪さをしていますし、クロウ君の登場でどのように変わっていくかも、気になるところですね。
そういう訳で引き続き、この作品を読んでいこうと思います。
嚙ませ犬に転生したクロウ君が理想の悪役を目指す物語に興味がある方は、是非購入を検討してみてください。
3.『今回のレビュー書籍』
- タイトル:かませ犬転生 ~たとえば劇場版限定の悪役キャラに憧れた踏み台転生者が赤ちゃんの頃から過剰に努力して、原作一巻から主人公の前に絶望的な壁として立ちはだかるような~
- 著者:一ノ瀬るちあ
- イラスト:Garuku
- 発売日:2024年2月16日
- 定価:1,430円(本体1,300円+税)
- 発行:KADOKAWA
- レーベル:電撃の新文芸
よろしければ以下のサイトより購入していただけると幸いです。
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